これまで、
「家人(かじん)」
と言えば「家にいる人」、つまり、
「(夫から呼ぶ)妻の異称」
であったと思います。
「家内」
と同じですね。
ところが!
最近は、この「家人」を、
「妻が夫のことを呼ぶのに使う」
ことがあるそうです。「家人」で検索したら、
「御家人」
が結構、引っかかってきてしまいました…「(ご)けにん」ね。なるほど。江戸時代か。いや、鎌倉時代か。
余談はさておき、「家人」は現在、誰を指すのか?そして使われているのか?
まず「広辞苑」を引くと、
*「かじん(家人)」(1)家の内のもの。妻子眷属(けんぞく)。特に、妻、あるいは召使い。(2)家来。けにん。
やっぱり「妻」だよな。「召使い」って!「飯使い」かも(?)
やっぱり、今どき使いにくい言葉ですね。
新しい辞書も引いてみましょう。去年出た『新明解国語辞典・第8版』は、
*「かじん(家人)」=自分の家族(の一員)。(多く、(主人の)代理の意で用いられる)
あれ?これだと、使ってもいいようなニュアンスですね。
同じく今年の初めに出た(「奥付」的には)『明鏡国語辞典・第3版』は、
*「かじん(家人)」=家の者。家族。
これも、「妻」という意味に限っていませんね。
もしかしたら、「家人」は「妻」や「召使い」から、単なる「家族」に、意味が変わって来ているのかもしれませんね!
(2021、7、22)


