8158「家人」

2021 . 7 . 23

8158

 

 

これまで、

「家人(かじん)」

と言えば「家にいる人」、つまり、

「(夫から呼ぶ)妻の異称」

であったと思います。

「家内」

と同じですね。

ところが!

最近は、この「家人」を、

「妻が夫のことを呼ぶのに使う」

ことがあるそうです。「家人」で検索したら、

「御家人」

が結構、引っかかってきてしまいました…「(ご)けにん」ね。なるほど。江戸時代か。いや、鎌倉時代か。

余談はさておき、「家人」は現在、誰を指すのか?そして使われているのか?

まず「広辞苑」を引くと、

*「かじん(家人)」(1)家の内のもの。妻子眷属(けんぞく)。特に、妻、あるいは召使い。(2)家来。けにん。

やっぱり「妻」だよな。「召使い」って!「飯使い」かも(?)

やっぱり、今どき使いにくい言葉ですね。

新しい辞書も引いてみましょう。去年出た『新明解国語辞典・第8版』は、

*「かじん(家人)」=自分の家族(の一員)。(多く、(主人の)代理の意で用いられる)

あれ?これだと、使ってもいいようなニュアンスですね。

同じく今年の初めに出た(「奥付」的には)『明鏡国語辞典・第3版』は、

*「かじん(家人)」=家の者。家族。

これも、「妻」という意味に限っていませんね。

もしかしたら、「家人」は「妻」や「召使い」から、単なる「家族」に、意味が変わって来ているのかもしれませんね!

 

(2021、7、22)