7月7日早朝にかけて、「線状降水帯」の発生で集中的な豪雨が降った山陰地方。
その島根・松江市の、
「意宇川(いうがわ)」
ですが、ニュースを見ていたらそのアクセントが「3種類」ありました。
7日朝10時の「NHK」のアナウンサー(東京)は、
「イ/ウガワ」
という「平板アクセント」でしたが、日本テレビ「ストレイトニュース」のなかで中継した地元・日本海テレビ(と言っても、「島根」ではなく「鳥取」ですが)の鳥取出身の女性アナウンサー(定常アナウンサー)は、
「イ/ウ\ガワ」
と「ウ」が高い「中高アクセント」でした。
そして、「ミヤネ屋」で現地「意宇川」の近くから中継をした中島リポーターは、
「イ\ウガワ」
と「頭高アクセント」でした。
さて、どれが正しいんでしょうね?
・・・って、そこで終わっては仕方がないので『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引いてみました。
たださすがにこの「意宇川」という川は載っていないでしょうから(実際、載っていなかった)巻末の「複合語のアクセント」の、
「~川」
を引いてみました。すると、
「~川」【地名】
とあるではないですか!
そうか「~川」は「地名」と「川そのものの名前」があるけど、それはアクセント的には分けて考えているんだ!
まず「地名」の「~かわ」は、
「○○○\カワ」(大川、肱川(ヒジカワ)、堀川)
という「カ」の前で下がる「中高アクセント」と、
「○/○○カワ」(荒川、十津川、富士川)
という「平板アクセント」が載っていました。あれ?でも「荒川」は「荒川区」という地名だけどもともとは「川の名前」で「荒川」なのにな・・・。
そして「RIVER」のほうの「川」は、なんと「ガワ」と「濁る」ものしか載っていませんでした。そうなの!?そういえば「意宇川」も「川」は濁るな!それはさておき、
「○○○\ガワ」(暴れ川、天井川:アマゾン川、石狩川、奥入瀬川(オイラセガワ))
「○○○ガワ」(宇治川、江戸川)
となっていました。
で、さあ「意宇川」です。これのどれに当てはまるか?
「川」の前が「イウ」と「2拍(2音節)」なのは「宇治川」「江戸川」と同じなので、そうだとすれば、
「イ/ウガワ」(平板アクセント)
ですね。でも「地名」のほうで出て来たけど「荒川」は「荒川区」の地名でもあるけど「川の名前」でもあり、しかも「川」の前が「2拍(2音節)」なので、それに当てはめると、濁らずに、
「イ/ウカワ」(平板アクセント)
かな。いずれにせよ「平板」か。
あと可能性としては、「大川」は「オーカワ」で「川」の前が「1拍(1音節)」の母音なので、
「オ\ーカワ」(頭高アクセント)
となりますが、「意宇川」も「イ」「ウ」の母音が続くので、「イウ」=「ユー」のような感じになって、
「イ\ウガワ」(頭高アクセント)
になる可能性が、無きにしも非ずか。愛媛県の、
「壬生川(ニュウガワ)」
が、発音上は、
「ニュ\ーガワ」
となるのと似ていますね。
ということで、結論は出ませんでした。


