8074「超党派のアクセント」

2021 . 6 . 7

8074

 

 

6月1日にニュースを見ていたら、女性アナウンサーが、

「超党派の国会議員が」

という原稿の中の、

「超党派の」

のアクセントが、

「チョ/トーハノ」

というように、

「平板アクセント」

で読んでいるのを耳にして、驚きました。これでは、

「○○派」

という派閥の具体的な名前を読むときのようです。昔で言うと、

「田中派(タ/ナカハ)」「福田派(フ/クダハ)」「大平派(オ/オヒラハ)」

「中曽根派(ナ/カソネハ)」

のように(古っ!)全て、

「平板アクセント」

なので、それなら「平板アクセント」でいいでしょう。

でも「超党派」は、「超党」という「派閥」ではありません。

「党派を超えて」

という意味なので、語構成は、

「超・党派」

ですね。

ですから読み方(アクセント)は、

「チョ/ート\ーハノ」

というように、

「中高アクセント」

なのではないでしょうか?それでは、夢の新幹線「ひかり号」の、

「超特急」

も、

「チョ/ートッキュー」

と「平板アクセント」とで読むのでしょうか?「マジンガーZ」の、

「超合金」

も「平板アクセント」で、

「チョ/ーゴーキン」

と読むのでしょうか?あれ?「超合金」は前に書いたな。(2010年に書いていました、「平成ことば事情4006超合金のアクセント」。ちょうど「11年前の5月31日」!)

念のため、『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引きましたが、やはり、

「中高アクセント」

の、

「チョ/ート\ーハ」

しか載っていなかったので、ちょっと安心しました。知らない間に、またアクセントが変わっていたのかと思って。

 

(2021、6、1)