6月28日の「ミヤネ屋」で、前の週の金曜日(25日)に倒壊・崩落した大阪市西成区の建物の現状についてお伝えしました。その中で専門家(大阪工業大学・日置教授)の使われた言葉に、
「地盤変状」
というものがありました。そんなに難しくない漢字(「変」「状」)が2つ使われていますが、これが組み合わされると、見たことのない熟語になりました。漢字から推測すると、
「状態が変化する」
ということなのでしょうか?当たらずとも遠からず?
『新明解国語辞典』『明鏡国語辞典』『三省堂国語辞典』『岩波国語辞典』には「変状」は載っていませんでした。
大きな辞典を引いてみましょう。『精選版日本国語大辞典』を引いてみたら、
*「変状」=普通とは変わった状態。以前とは異なった状態。
という、「文字そのまま」の意味しか載っていません。
『広辞苑』も、
*「変状」=普通とは異なる状態。以前とはちがう状態。
で、特に専門的な意味は書かれていません。
『大辞林』も1行、
*「変状」=普通とは違った状態。異状。
とだけありました。「専門用語」なのでしょうね。ネットで調べたら、
*「変状」=構造物の状態が当初の状態から変化した状態を指す。コンクリート構造物の場合だと「損傷・劣化・その他の原因のためコンクリートの表面に見られる異常」を「変状」といい、これに対して「劣化」は、鋼材の腐食のように時間の経過に伴って進行する部材や材料の性能低下を指す。
とありました。また、
「地盤変状」
は、「変状」の原因が「地盤にある」ということで、
「建物の荷重が著しく異なる場合で、荷重が大きくのしかかるほうの地盤が沈下し、住宅が変状する」
ことが、特に「軟弱地盤」では起こるそうです。
西成の今回の事案も、地盤が崩れたことによる倒壊ですので、土木建築用語の中でも「地盤」に関わる言葉なのでしょうね。


