6月28日夕刻、酒を飲んだ60歳の男が運転するトラックが、集団下校中の小学生の列に突っ込み、何の罪もない児童2人が死亡、3人がケガをするという痛ましい事故が起きました。
場所は千葉県の八街市。この、
「八街(やちまた)」
は、関東の人なら読めるかもしれませんが、関西人には読むのが難しい地名です。ディレクターが、
「ルビは必要ですか?」
と聞いて来たので、
「もちろん」
と答えました。その後、別のADが、
「『八街』のルビなんですが、ルビ振り分けは『やち・また』でしょうか?それとも『や・ちまた』でしょうか?」
と聞いてきました。私は最初、「八」は「やっつ」なので、
「やつ・また」→「やち・また」
に変化したのだと思っていましたが、よく考えたら、
「やつ・ちまた」→「や・ちまた」
なのではないか?つまり、
「街=ちまた」
なのではないか?と考え直しました。「ちまた」と言うと、
「巷」
という漢字が思い浮かびますが、意味は「まち」でしょうから「街」もまた「ちまた」と読めるのではないか?と思って、
「や・ちまた」
というルビの振り分けにしました。
「ちまた」は、もともと「みちまた」、
「道が分かれる所・分岐点」
で、転じて、
「多くの道が集まる所=街・町」
の意味になったのでしょうね。国土地理院の地図の表記のルビも
「八(や)街(ちまた)」
でした。
千葉にはこのほか、
「四街道(よつかいどう)」
という「市」がありますが、「街道」が集まる所は「集落=街」なのだと思いました。
その「街道」と呼ぶにはあまりに狭い道で(昔の街道は、狭かったかもしれませんが)、痛ましい事故が起きた。飲酒しての運転など、もってのほか。子どもたちには何の罪もないのです…。
(2021、6、29)


