8107「八街のルビ」

2021 . 6 . 30

8107

 

 

6月28日夕刻、酒を飲んだ60歳の男が運転するトラックが、集団下校中の小学生の列に突っ込み、何の罪もない児童2人が死亡、3人がケガをするという痛ましい事故が起きました。

場所は千葉県の八街市。この、

「八街(やちまた)」

は、関東の人なら読めるかもしれませんが、関西人には読むのが難しい地名です。ディレクターが、

「ルビは必要ですか?」

と聞いて来たので、

「もちろん」

と答えました。その後、別のADが、

「『八街』のルビなんですが、ルビ振り分けは『やち・また』でしょうか?それとも『や・ちまた』でしょうか?」

と聞いてきました。私は最初、「八」は「やっつ」なので、

「やつ・また」→「やち・また」

に変化したのだと思っていましたが、よく考えたら、

「やつ・ちまた」→「や・ちまた」

なのではないか?つまり、

「街=ちまた」

なのではないか?と考え直しました。「ちまた」と言うと、

「巷」

という漢字が思い浮かびますが、意味は「まち」でしょうから「街」もまた「ちまた」と読めるのではないか?と思って、

「や・ちまた」

というルビの振り分けにしました。

「ちまた」は、もともと「みちまた」

「道が分かれる所・分岐点」

で、転じて、

「多くの道が集まる所=街・町」

の意味になったのでしょうね。国土地理院の地図の表記のルビ

「八(や)街(ちまた)」

でした。

千葉にはこのほか、

「四街道(よつかいどう)」

という「市」がありますが、「街道」が集まる所は「集落=街」なのだと思いました。

その「街道」と呼ぶにはあまりに狭い道で(昔の街道は、狭かったかもしれませんが)、痛ましい事故が起きた。飲酒しての運転など、もってのほか。子どもたちには何の罪もないのです…。

 

(2021、6、29)