ネットの記事を見ていたら、女優の瀧本美織さんが、同じ事務所の俳優・柳楽優弥さんと、映画『HOKUSAU(北斎)』で共演したという記事が出ていました。
そこで瀧本さんは、インタビューに答えて、
「実は今回がはじめましてだったんです。」
と話していました。
以前から、初対面の人に対する挨拶で、時々耳にする言葉に、
「『初めまして』ですよね?」
というのがあります。これ、普通に、
「初めまして」
でいいと思います。疑問文にして投げかけられるのは、ちょっと嫌な感じがします。
この言い回し、いわゆる、
「業界人=芸能界・マスコミ・音楽業界の人」
が、よく使うような感じがします。
「初めてかどうか記憶がはっきりしないが、もしかしたら会ったことがあるかもしれない」
というようなケースですが、それなら、シンプルに、
「お会いするのは、初めてでしたっけ?」
で良いと思うのですが。
「初めまして」という挨拶の言葉を用いて、それに疑問文を付けるのが「軽い」感じがするのかもしれません。
芸能人などは、テレビ画面などでお互いに見たことがあって、共通の知人も多く、直接会ったことがないのに、すでに会ったことがあるような気がするケースもあるので、こういった挨拶になるのかもしれません。でも一般の人は、あまり使うケースはない気がするのに、時々耳にします。
いつ頃から使われ始めたんだろう?
と思ってネット検索してみたところ、
「2018年12月」
に、すでに「劇団ひとり」さんが「違和感」を表明していました。それによると、
「初対面のときに『初めましてですよね』と言うのは失礼だ」
と。そして、
「会ったことを忘れて『初めまして』と言われる分には『前にお会いしましたよ』(忘れたんだな)で済むけれど、『初めましてですよね?』という問いかけは、『私はあなたに会ったことがあるかもしれないけど、そんなに印象に残っていないので覚えていない。でも、あなたは私に会ったことを覚えてるんでしょ?』という問いかけになっていて、それは失礼だ」
というのです。
なるほどなるほど、「初めまして、ですよね?」に感じる違和感・不快感は、
「自分に対する、相手の認識の軽さにある。敬意に欠ける」
とでも、もっと昔から使われているような気がして、さらに調べたら、一番古いもので、
「1997年3月」
のフジテレビの番組のサイトで、「SMAPの中居正広さん」が「ピチカート・ファイブ」のボーカル「野宮真貴さん」と、ベース・ギター・キーボード・ボーカルの「小西康陽さん」を招いての鼎談で、野宮さんが、
「よろしくお願いします。はじめましてですよね」
と言い、それを受けて中居さんが、
「はじめましてですね」
と答えています。
しかし、この野宮さんの「はじめましてですよね」は、「疑問形」の「初めまして、ですよね?」ではなく、「確認」のような感じがします。だから、それを受けた中居さんも、「はじめましてですね」と「確認・承認」のように答えている感じがして、それほど失礼な感じはしません。文字だけなので、確実ではありませんが。
それにしてもここ数年、「初めまし、ですよね?」という言い回しは、非常に増えて来た気がするのです。皆さんは、気になりませんか?


