「ぶり」
という言葉は、
「3日ぶり」「2週間ぶり」「3大会ぶり」「4年ぶり」
のように、
「期間の数字(と単位)」
が入るのが、従来の日本語でした。
それに対して、ここ10年~20年で広がった表現は、
「正月ぶり」「卒業式ぶり」「いつぶり」
といったもので「期間」ではなく、
「最後にその行為が行われた時・出来事」
のあとに「ぶり」を付ける言い方です。
従来、この場合は「ぶり」ではなく、
「以来」
を使って、
「正月(に会って)以来」「卒業式(で会って)以来」「いつ以来」
としてきたものが、「以来」の代わりに「ぶり」を使うことが多くなってきているのです。
そんな中、私が見つけた「さらに新しい『ぶり』の使い方」は、
「卒業してぶりくらい」
というもの。6月21日午前0時50分に「日刊スポーツ」のサイトで見つけた記事で、ダンサーでタレントの伊原立花さん(22)が、自身のYouTubeチャンネル「伊原立花のSTEP&GO」で「本気のダンス」を披露していると。それについての伊原さんのコメントを、
「久々にちゃんと踊りました。(高校を)卒業してぶりくらい」
と紹介しているのです。私の日本語に訳すと、この部分は、
「卒業以来」
ですが、ここ10~20年の言い方で言っても、
「卒業ぶり」
のはずがここでは「して」という言葉をいれて、
「卒業してぶり」
になっているのです。その体(てい)で言うと、
「正月ぶり」→「正月会ってぶり」
「卒業式ぶり」→「卒業式出てぶり」
「いつぶり」→「いつやったぶり」
のようになるのでしょうか?
「卒業」という言葉は「名詞」ですが「卒業する」という動詞の意味も含有しています。
それに対して「正月」「卒業式」は完全に「名詞」になっているので、この「卒業してぶり」にはなりにくいですが、「会って」「出て」という「動詞」をくっ付ければ、このパターンになりますね。
今後こういう言い方が増えるかどうか、注目です!


