8096「くんだり」

2021 . 6 . 23

8096

 

 

大学の後輩が、大阪・天王寺にある美術館に行ったら、まだ緊急事態宣言中だったので「閉館」していたとフェイスブックに書いていました。その中で彼は、

「天王寺くんだりまで来たのに・・・」

と、美術展を見られなかった不満を書いていたのですが、それを読んで、

「『天王寺』に『くんだり』は付かないのではないか?」

と思いました。「くんだり」は(こう言うと、失礼に当たるかもしれませんが)、

「田舎」

見下した感じで呼ぶときに「その地名の後に付ける言葉」なのではないでしょうか。

「天王寺」は明らかに「田舎」ではないですよね。

そもそも、

「くんだり」

とは何でしょうか?

調べてみました。それによると

*「くんだり(下り)」=(クダリの撥音化)地名に付けて、場末または遠隔の地を指すのに用いる語」

と『広辞苑』にはありました。「下り」を強調しているのか。「遠隔地」に使うということで「田舎」に使われることが多いけど、

「自宅を基準とした遠隔地」

にも使えるとすれば、逆に、

「田舎に住んでいる人が、都会に対して使うこともできる」

ということか!?新しい使い方?

でも辞書には「場末」「遠隔地」と書いてありますから、いずれにせよ、あまり褒めた文脈では使われないので、

「差別的・侮蔑的なにおい」

がしますよね。

しかし「下り」=「下っている」ので、

「『下らない』ことはない」

という気もするけどなあ。

「下り」があれば「上り」もある。これらは、

「格付け」

ですよね。そこで「上から目線」「下から目線」が生まれるのかなあ。やだなあ…。

 

(2021、6、22)