8103「ジンベエザメ永眠」

2021 . 6 . 28

8103

 

 

6月23日の「朝日新聞・夕刊」に、沖縄の美(ちゅ)ら海水族館のジンベエザメが死んだという記事が出ていました。その記事の見出しは、

「国内最長飼育ジンベエザメ 永眠」

でした。実は、

「死亡」

という言葉に含まれる「亡」の字は、

「亡くなる」

という「敬語」なので、

「動物には使わない」(人間にのみ使う)

ことになっているので、この場合、普通は、

「国内最長飼育ジンベエザメ 死ぬ」

が、一番シンプルなのですが、

「死ぬ」

を見出しに取るのを、何となく嫌う傾向があって、

「天国へ」「大往生」

等の言葉を使うことが多いということは、過去にも書きました。

「平成ことば事情0138海くん、死亡」

「平成ことば事情0271犬、死亡」

「平成ことば事情0489死亡牛・廃用牛」

「平成ことば事情4068スナメリ死亡」

「平成ことば事情5785たま駅長天国へ」

「平成ことば事情6074ゾウの花子天国へ」

こちらも読んでみてください。でも、

「永眠」

というのは初めて見た気がします。

これを書くに当たって、ネットで検索しても「朝日新聞」のデジタル記事では、なぜか「永眠」は見当たらず、

「死ぬ」

というものしか、出て来ませんでした。「紙」の新聞のみで「永眠」は使われたのでしょうかね?

そういえば、この「動物の死亡」に関して20年ほど前(2000年6月15日)に最初に書いた、

「平成ことば事情0138海くん、死亡」

の「海くん」というのは、大阪・海遊館の、

「ジンベエザメ」

でした。海くんが死んだのは、2000年6月11日。もう21年も前のことなのか・・・ついこの間のように感じるのに、「海くん」が海遊館に来たときが…(1990年だよね。31年前かよ)。

朝日新聞の記事には、この死んだメスのジンベエザメの「名前」は書かれていませんでした。

ジンベエザメさん、安らかに・・・。

 

(2021、6、28)