「伝法」
という言葉は、
「悪ずれして、乱暴なふるまいをすること。また、その人。▼江戸時代、浅草伝法院の寺男は寺の威光をかさにきて無法を働いたことから」(明鏡国語辞典)
とあります。この「伝法」の読みですが、語源となった浅草の、
「伝法院」
は、そのHPに、
「デンボウイン」
と「濁音」の「ボ」になっています。しかし、「伝法な」と言う場合は、
「デンボウ」(濁音)か?「デンポウ」(半濁音)か?
手元の国語辞典を調べてみました。【B=デンボウ、P=デンポウ】
*デンボウ(デンポウとも)【B(P)】=5
精選版日本国語大辞典(2006)デンボウ(デンポウとも)
NHK日本語発音アクセント新辞典(2016)デンボウ【許容】デンポウ
広辞苑(7版・2018)デンボウ(デンポウとも)
岩波国語辞典(8版・2019)デンボウ(デンポウとも)
大辞林(4版・2019)デンボウ(デンポウとも)
*デンポウ(デンボウとも)【P(B)】=5
新選国語辞典(9版・2011)デンポウ=デンボウ(見出しは「デンポウのみ」)
三省堂国語辞典(7版・2014)デンポウ(デンボウとも)
現代国語例解辞典(5版・2016)デンポウ(デンボウとも)
三省堂現代新国語辞典(6版・2019)デンポウ(デンボウとも)
デジタル大辞泉(電子辞書)デンポウ(デンボウとも)
*デンポウのみ【P】=2
新明解国語辞典(8版・2020)デンポウのみ
明鏡国語辞典(3版・2021)デンポウのみ
*デンボウのみ【B】=0
という結果になりました。
真っ二つに割れています!
ただ、新しい辞書は「デンポウ」(半濁音)を採用しているようにも見えます。
落語好きな、大学時代の先輩によると、春風亭一朝師匠は、
「デンボウな」(濁音)
だそうです。また、大学の同期で浅草小学校出身の男は、
「地元では『デンポウな』(半濁音)であり、『デンポウジ』(半濁音)だ。
と言うのです。ウーム、難しい。
また、「大阪市此花区」にも「伝法」という地名がありますが、こちらも、
「デンポウ」(半濁音)
です。北港ヨットハーバーの近くです。昔、よく行きました。


