新型コロナワクチンの「保管温度」の読み方ですが、私が見た・聞いた範囲では、恐らく全テレビ局が、
「マイナス70度」
のように、
「マイナス」
を使い、
「氷点下」
は使っていませんでした。
しかし、私も所属している、日本新聞協会の新聞用語懇談会放送分科会編『放送で気になる言葉2011』の「数字の読み方」の「気象関係」(気温)では、
「-20度」=氷点下ニジューど(「まいなすニジューど」とも)〔零下は使わない〕
となっています。ここで想定して「使うこともある」とした「まいなす」は、
「上空のマイナス30度の寒気団」
のようなケースでしたが、
「ワクチンの保管温度」
の場合も「マイナス」を使うのか?
ということを、4月の新聞用語懇談会放送分科会で各社に質問しました。
やはり事前のチェック通り全社「マイナス」を使っているようでした。そして、その根拠としては、
「政府の発表の『マイナス』という表現を、そのまま使っているのではないか」
という意見もありました。
4月30日、関西国際空港に、まだ承認されていませんが5月中に承認予定の、
「モデルナ社」
のワクチンが到着しました。テレビ局は保存温度を、
「マイナス20度前後」
と表現していましたが、新聞各紙の4月30日の夕刊では、「毎日新聞」「産経新聞」は、
「マイナス20度前後」
と、テレビ局と同じ「マイナス」でしたが、「読売新聞」は、
「零下20度前後」
というように、「零下」を使っていました。
「マイナス」は「4文字」、「零下」は「2文字」(ついでに「氷点下」は「3文字」)なので「文字数を節約した」のでしょうかね?
(2021、4、30)


