5月25日の「ミヤネ屋」でお伝えした、熊本の殺人事件の被害者の元・町議の方は、
「中村尊德さん」
というお名前でした。この「德」の字体は「旧字体」の、
「德」
でした。普段使うこの字は、
「徳」
で、「一」が少ないです。
「同じ字」なのに形の違う漢字のことを、
「異体字(いたいじ)」
と言います。「ロゴマーク」みたいなものですね。
たとえば、普通の「高」と「髙(はしごだか)」なども「異体字」です。この「はしごだか」は「旧字体」ではなく「俗字体」と呼ばれていますが。
新聞では「同じ字」の場合は、できるだけ「異体字」を使いません。この事件の記事では、私が見た範囲では、5月25日の「産経新聞・夕刊」は、
「普通の『徳』」
でした。他の新聞は、記事が見当たりませんでした。
一方テレビは、本人がその字を使いたいというのなら、できる範囲でその意向に従ってあげればいいのではないか?という姿勢が、近年強くなっています。
今回は「被害者」ですし、5月25日の「ミヤネ屋」では「旧字体」の「德」を使いました。
5月26日の日本テレビ(熊本県民テレビ)と、テレビ朝日のお昼のニュースでは、旧字体の、
「德」
でした。
ちなみに歌手の、
「德永英明」
さんも「德」は「旧字体」で、その上「英」の字の「草かんむり」が、
「『十』が2つ並ぶ形で、『十』と『十』の間が少し空いている」
のですが、この字は変換で出て来ません。出ないものは、なかなか使えませんね・・・。手書きじゃないので。
(2021、5、26)


