8063「德の字体」

2021 . 5 . 26

8063

 

5月25日の「ミヤネ屋」でお伝えした、熊本の殺人事件の被害者の元・町議の方は、

「中村尊德さん」

というお名前でした。この「德」の字体は「旧字体」の、

「德」

でした。普段使うこの字は、

「徳」

で、「一」が少ないです。

「同じ字」なのに形の違う漢字のことを、

「異体字(いたいじ)」

と言います。「ロゴマーク」みたいなものですね。

たとえば、普通の「高」と「髙(はしごだか)」なども「異体字」です。この「はしごだか」は「旧字体」ではなく「俗字体」と呼ばれていますが。

新聞では「同じ字」の場合は、できるだけ「異体字」を使いません。この事件の記事では、私が見た範囲では、5月25日の「産経新聞・夕刊」は、

「普通の『徳』」

でした。他の新聞は、記事が見当たりませんでした。

一方テレビは、本人がその字を使いたいというのなら、できる範囲でその意向に従ってあげればいいのではないか?という姿勢が、近年強くなっています。

今回は「被害者」ですし、5月25日の「ミヤネ屋」では「旧字体」の「德」を使いました。

5月26日の日本テレビ(熊本県民テレビ)と、テレビ朝日のお昼のニュースでは、旧字体の、

「德」

でした。

ちなみに歌手の、

「德永英明」

さんも「德」「旧字体」で、その上「英」の字の「草かんむり」が、

「『十』が2つ並ぶ形で、『十』と『十』の間が少し空いている」

のですが、この字は変換で出て来ません。出ないものは、なかなか使えませんね・・・。手書きじゃないので。

 

(2021、5、26)