8062「コロナ禍か?コロナ下か?」

2021 . 5 . 25

8062

 

 

忌々しいことに、すっかり定着してしまった、

「コロナ禍」

という言葉ですが、最近、新聞などでは、

「コロナ下」

という言葉も目にします。どちらも声に出して読めば、

「ころなか」

です。「コロナ禍」は、

「新型コロナウイルスの流行による禍(わざわい)」

という意味ですよね。

一方「コロナ下」のほうは、「炎天下」「戦時下」のように、

「○○の状況下」

という意味です。つまり、

「新型コロナウイルスの流行による禍の下(もと)」

という意味で、本来は、

「コロナ禍下」

になります。しかしこれは読んでみると、

「ころなかか」

と「か」が2回続いて、何か変な感じです。では、同じ意味の、

「コロナ禍の中」

と言えばいいのですが(実際、そういう原稿も出て来ます)、これも読んでみると、

「ころなかのなか」

というように「なか」が2回続くので、これまた変な感じになります。そこでもう全部、

「コロナ禍」

で済ます傾向がありますが、明らかに意味が違うという場合、新聞では、

「コロナ下」

を使っています。これはテレビのテロップでは、あまり目にしません。

先日「ミヤネ屋」のテロップで「コロナ下」を使ったところ、視聴者センターに、

「『コロナ禍』ではないのか?」

という問い合わせが入ったそうですが、実は意味を考えて使い分けていたのです。

わかってほしいです・・・。

 

(2021、5、25)