8061「大観音像が鎮座」

2021 . 5 . 24

8061

 

 

5月24日、「ミヤネ屋」で、兵庫県・淡路島の「大観音像」が解体されるというニュースをお伝えしました。その原稿に関して、放送前にTデスクが質問してきました。

「この大観音像に、『鎮座している』と言って良いでしょうか?」

あ、なるほど。高さ100メートルもあって、

「立っている」

のに、

「鎮座」

というのは、たしかに違和感がありますね。

辞書を引いてみると。もともと「鎮座」は、

「神霊がその場所を自分の土地として、長くとどまること」

を言うので、

「座=場所」

であり、

「立っているか、座っているかは関係ない」

のですね。まあ大体「座を占める」ときは「立ってないで、座る」わけですが。

しかし、そこから転じて「2番目の意味」として、

「人や物がどっかりと座っている。座を占めている」

という意味も出て来たので、どうしても、

「座っているイメージ」

があります。

そうすると「仏像」が「立っているか、座っているか」が気になり、さらに大体、

「仏像は『座っているもの』が多い」

ので、

「立像が鎮座」

というと「あれ?」っと思うわけですね。

タイかシンガポールかには、

「寝ている(横になっている)仏像」

もありましたが、あれも一応「鎮座」でいいんだろうなあ。

 

(2021、5、24)