「秘密のケンミンSHOW極」のプロデューサーN君から質問のメールが届きました。N君は元「ミヤネ屋」スタッフです。
『「早い」と「速い」の使い分けの件でお聞きします。調理時間が「はやい」場合、「早い」でしょうか?「速い」でしょうか?「安い、早い、うまい」と表記されることも多いとは思いますが、「素早い調理」ということなら、「早い」だという気がしますが、「調理スピードがはやい」と考えると、「速い」という気もしまして。実例としましては、あるハンバーグショップが、客の注文からわずか10秒程度でハンバーグが出てくる、という部分での表現です。用字用語辞典にはドンピシャで書かれているものがなく、お伺いした次第です。よろしくお願い申し上げます。』
とのことです。私は、こんな返事を送りました。
『お尋ねの件、結論から言うと、
「速い」
でしょうね。「調理時間=スピード」なので。
「スピード(速度)」=速い:「時期」=早い
が原則。
「すばやい」は、「新聞用語集2007年版」と読売新聞社の「読売スタイルブック2020」でも「素早い」になっていますが、「読売スタイルブック2020」の「早い」の解説を読むと、
「時刻・時期が手前である。『晩』の対語。わずかな時間で済ませる」
とあるので、この最後の、
「わずかな時間で済ませる」
というのと、
「スピードが速い」
が、ほぼ似たような意味になるので、使い分けに迷ってしまうのだと思います。
「時刻・時期が手前である」「始める(始まる)時期が早い」=(例)ことしは秋の訪れが早いの場合は「早い」と分かりやすいですが・・・。
「早い」を使う「わずかな時間で済ませる」の用例は、「足早に立ち去る」「変わり身が早い」「素早い」「手早い」「早変わり(早替わり)」「早指し将棋」「矢継ぎ早」等がありました。
これらの「早い」は、「速い動作」によってもたらされた出来事の「全体の雰囲気」を指しているような感じがします。
こんなところで いかがでしょうか?』
ということでした。
我ながら、
「素早い対応」
だったと思います。


