現在、新聞用語懇談会の放送分科会で「放送で標準とする読み方例」というものについて討議しています。その中に、
「黙然」
という言葉に関して「表記」は、
「黙念」
もあるとしながらも、「読み」に関しては、
「モクネン」
のみを認めて、
「モクゼン」
という読みは載せていません。
ところが、手元の国語辞典引いてみたところ、以下のような結果になりました。
○=見出し:空=空見出し
【辞書】 【モクゼン】 【モクネン】
日本国語第辞典(2)2006 ○ 空
三省堂国語辞典(7)2014 ○ 空
現代国語例解辞典(5)2016 ○ 空
広辞苑(7)2018 ○ 空
岩波国語辞典(8)2019 ○ 空
三省堂現代新国語辞典(6)2019 ○ 空
大辞林(3)2019 ○ 空
新明解国語辞典(8)2020 ○ 空
デジタル大辞泉(電子辞書)=== ○ 空
新選国語辞典(9)2011 空 ○
旺文社標準国語辞典2011 空 ○
明鏡国語辞典(3)2021 空 ○
新明解日本語アクセント辞典2010 ○ ○
NHK日本語発音アクセント新辞典2016 × ○
つまり、多くの辞書は「モクネン」よりも「モクゼン」をメインにしていて、しかも両方を載せている。
唯一「モクゼン」を載せていないのは、
『NHK日本語発音アクセント新辞典』(2016)のみ
だということが分かったのです。
なぜこうなったのでしょうね?
今後の会議の中で明らかになれば、またご報告します。


