8023「じゃあーりませんか」

2021 . 4 . 21

8023

 

 

吉本新喜劇のコメディアンの「チャーリー浜」さんが亡くなり。78歳でした。

その訃報を「かんさい情報ネットten.」で読むことになった黒木千晶アナウンサーが、切羽詰まった表情でやって来ました。

「道浦さん。これ、どう読めばいいですか?」

と原稿を見せてくれました。そこには、

「1991年には『~じゃあーりませんか』のギャグで第8回流行語大賞を受賞しました。」

とありました。問題は、このギャグ、

 

「~じゃあーりませんか」

 

の読み方です。

「黒木は、このギャグ、知らないの?」

「知らないんです。まだ生まれてないし。」

「何年生まれなの?」

「1993年です。Jリーグの発足した年です」

「そうか、この流行語大賞は『1991年』かあ。あ、この年は雲仙普賢岳の噴火があった年だから、ことしちょうど30年前かあ…」

ということで、チャーリー浜さんのように言って聞かせたわけですが、これってアクセント辞典にも載っていないし、知れないと表現をするのが難しいですよね・・・。

「じゃ、あーりませんか」

でもなく、

「じゃあ、あーりませんか」

でもないし、微妙な感じです。強いて言うなら、

「じゃぁ、あーりませんか」

かなあ。

去年、志村けんさんが亡くなった時は、さかんに、

「アイーン」

というギャグが流れましたが、「報道ニュース番組の訃報の原稿」で、こういう「持ちネタのギャグ」を「読む」のは、どう読めばいいか?

「物まね的」

にやるのも違うだろうし、かと言って、

「淡々と抑揚をつけずに読む」

のも、「違う!」と言われそうですし、確かに難しい。しかも、そのギャグを知らない、若い人ならば。

例えば、私も同時代的にはギリギリの「伴 淳三郎さん」

「アジャパー」

とかは何か読めても、同時代的には全く知らない「高勢実乗さん」の、

「アーノネおっさん」「わしゃかなわんよ」

などは、「読め」と言われたらそのまま「淡々と読む」しかないのかなあ・・・などと、ちょっと悩んでしまいました。

いずれにせよ、一つの時代が、また終わったということで、哀悼の意を表します。合掌。

 

(2021、4、21)