「味変」
という言葉があります。
「味が変」
なのではなく、ラーメンなどを、
「食べている途中で、味を変化させる」
という意味の俗語です。まだ「国語辞典」には載っていないのではないかな。
「三省堂国語辞典」「大辞林」「広辞苑」「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」には載っていませんでした。
先日、後輩の元アナウンサー脇浜紀子・京都産業大学教授が、「明石焼き」を食べる時に、半分は「出汁」に浸けて食べるけれど、残りは「ソース」をかけて「味変」して食べると、フェイスブックに書いていました。
また、4月19日「日本経済新聞」夕刊のコラム「プロムナード」で作家の堂場瞬一さんが、
『痺れる「味変」』
というタイトルで書いていました。最初、見出しを見たときは、
「舌が痺れるほど、味が変なのか?」
と思いましたが、これは「蕎麦の食べ方」で、
「途中で食べ方を変えて、味を変える手法」
を、社会人になりたての頃に先輩に教わったという内容でした。当時はまだ、「味変」という言葉は、なかったのではないかなあ。
グーグル検索では(4月19日)、
「味変」=227万件
も出て来ました。やっぱり!
トップに出て来たのは、「ワコールボディブック」というサイトで、
https://www.bodybook.jp/pants/146288.html
“言葉家(コトバカ)”の相川藍さんという方が、2020年10月28日の日付で、
『今月のコトバ「味変(あじへん)」』
という“そのものズバリ”のタイトルで書いていました。それによると、
『味変(あじへん)とは「味を変化させる」の略。近年、主にB級グルメ界隈でカジュアルに使われるようになった俗語である。たとえば、麺類などに添えて出されるネギやワサビや唐辛子といった「薬味(やくみ)」による味変。』
で、よく使われるのは、
「ラーメン、鍋」
といった料理だと記されていました。
『現代用語の基礎知識2021』を引いてみましたが、載っていませんでした。
『三省堂国語辞典』は、次の改定で載せてくるような気がするな。
ね、飯間さん、塩田さん!


