メディアジャーナリストである境治さんがフェイスブックで、
「ユーザーはどれに課金すべきか悩ましい」
というような文章の、
「課金する」
という言葉の使い方について、
「『課金する』という言葉の使い方が間違っている。言葉は時代と共に変わるとはいえ、『課金』は『お金を徴収する』のだから、徴収する側が主語じゃないとおかしいだろう!」
と憤慨されていました。
おっしゃる通り!
だけど、このお金の、
「やりもらい表現」
に関しては「ギブ・エンドテイク」なので、どちらが主語かが「入れ替わりやすい」んですね。もう定着してしまった感がある似たような例では、
「募金する」
があります。文字を見れば「募金する」は、
「お金を募る」
のですから、「課金する」と同じで、
「お金を集める側が主語」
なのですが、今では
「募金に応じて、金を払う行為」
をも「募金する」と使ってしまっています。「24時間テレビ」なんかで、アナウンサーが、
「皆様の募金をお待ちしています」
と言っても、誰も怒りません(たぶん)。
『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典・第8版』では、「募金」は、
「お金を集めること」
という本来の意味しか載せていませんが、
『明鏡国語辞典』は「第2版」では、
- 寄付金などを一般から集めるっこと。またそのお金。
と載っていますが、2番目に、
「(2)【俗語】(1)に応じて、募金を寄付すること。またそのお金。▽主催者側の言い方をそのまま受けて言ったもの」
という意味を載せていました。
『三省堂国語辞典・第7版』は「誤用」という立場で、2番目の意味に、
「(2)(誤った使い方で)おかねを寄付することまた、そのおかね。」
とあります。
『明鏡国語辞典』は、ことし1月に出た「第3版」ではさらに、
「→課金」
と書かれていました。やはり同じ用法に「課金」があることを示していました!見てみましょう。(用例は省略)
*「課金」=(1)料金を課すこと。また、その料金。(2)【新】料金を支払うこと。また、その料金。▽(1)が本来の意味。
と、もう辞書に載ったのか!
うーん、新発見です。僕はあまり「課金」は、しないからなあ。
境さん、教えてくださってありがとうございました。


