2月3日に開かれたJOC=日本オリンピック委員会の臨時評議員会の席上で、JOCの女性委員を今後40%以上にするという目標設定に関して、森喜朗五輪・パラリンピック組織委員会委員長(83)が、
「女性がたくさん会議に入るとしゃべりすぎるから、時間制限すべきだ」
と女性委員を増やすことに疑問を呈するような発言をしたことが、国内外で、
「女性蔑視だ」
と問題となり、翌日2月4日に急きょ、森会長は「謝罪会見」を行いました。
「謝罪はすれども、辞任はせず」
でしたが、この「女性蔑視発言」について、AFP通信など海外のメディアは、
「日本は男女平等に関して、おくれている」
と報じたことを、2月4日の「ミヤネ屋」でも報じました。
その際、「おくれている」をテロップでは、発注された通り、
「後れている」
としました。すると、校閲担当の元読売新聞Hさんから、
「『遅れている』はないか?さっきに日テレも『遅れて』と表記していたが」
と指摘を受けました。
確かに、読売新聞の『読売スタイルブック2020』では、
「気後れ」「後れ毛」「後れを取る」
のような成句のみで「後れ」を使い、それ以外では「遅れ」を使うと書かれています。また、日本新聞協会の『新聞用語集2007年版』も
「『後れ』は限定的」
と書かれてはいます。
しかし、「遅れ」は、
「ある一方向への進み具合が遅い状態」
を指すのに対して、「後れ」は、
「そもそも向かう方向が、みんなと違っている場合も含む」
のではないか?「先進国」に対しては、
「後進国」
という言い方がありますが(今は「発展途上国」という婉曲表現になっていますが)、これは、
「遅進国」
とは言いません。
社会的待遇に関する「男女平等」に関して、世界「150何か国」中「120何番目」という「日本」は、この分野においては明らかに、
「後進国」
であり、この場合は「遅れ」ではなく「後れ」が妥当ではないか?と考え、そのまま、
「後れている」
としました。
2月4日の夕刊各紙で、このニュースを扱った中で「おくれ」を漢字で表記していたのは「朝日」と「日経」の2紙で、
(朝日)後れを取っている
(日経)遅れている
と表記が分かれていました。
これ、「英語」で考えたらどうだろう?「遅刻」「電車の遅れ」の「遅れ」は、
「delay」
ですよね。
それに対して「先進=adavance」の反対の「後れ」は何なのか、「和英辞典」を引いたら、
「behind」
でした。日本は「男女平等」に関して「ビハインド」なのですね。
表記は「後れ」でいいと思います。


