これは論文ですね。学術書。「おネエことば」と呼ばれるものがいつ、どうやって生まれたか?その背景は?を分析した論文。
いわゆる「おかま」から始まり「シスターボーイ」「ゲイ」「ニューハーフ」などと呼ばれて来た人たちは、ここ20年ほどは「オネエ(キャラ)」などと呼ばれてているが、そもそも「オネエ」とは何なのか?特徴的なのは「その言葉遣い」であると。彼女らが話す「オネエことば」は、テレビの中でも「普通の言葉」として受け入れられ、「女性」よりも「女性らしく」、「オカマキャラ」よりは性格やものの言い方がきつくない愛らしいキャラクターとして、バラエティー番組などに引っ張りだことなった。
「オネエことば」を使う人たちを「オネエキャラ」と呼んで、テレビは「消費」してきた。この論文では、その代表的な番組として、2006年~2009年に放送された日本テレビの「おネエMANS」を取り上げている。私はこの番組の存在は知っていたが、ほとんど見たことがなかったのでよくわからないが、エポックメイキングな番組だったわけですね。ここ数年の「LGBT」に対する理解・浸透の下地として、「オネエキャラ」の浸透があったのかもしれないなと思った。それと共に「今後のオネエキャラ」の行方も、気になるところである。
(2021、2、13読了)


