『釣りキチ三平9~おもしろ釣り編Ⅱ』(矢口高雄、講談社漫画文庫:2000、11、10)

2021 . 2 . 1

2021_013

 

2020年11月20日に矢口高雄さんが亡くなったことを受けて、引っ張り出してきて読んだ。愛読していたわけではないが、この一冊だけ持っていた。20年前に買ったのだが。

当時「釣りキチ」というタイトルの「キチ」が差別的ではないか?という話しがあり、矢口さんもNHKの番組で自分の作品について話すのに「キチ」を避けて、

「僕の描いた『釣り漫画三平』も」

としゃべっているのを聞いたことがあって、びっくりしたことがある。

この本も「あとがき」に矢口さんが、

「日本の伝統的な釣りを次代に伝える責任が、われわれ釣りキチにあるように思う」(1986年3月7日記す)」

と、しっかり「釣りキチ」と書いているのですが、そのあとに出版社側が「太字」で、

 

「このあとがきは、KCスペシャルに掲載されたものをそのまま収録しています」

 

という「気遣い」を示している。

漫画自体は「釣りへの情熱」もさることながら、日本の自然、子どもたちへの愛情のこもった目線などを、大変ダイナミックで動きのある映画のような「画角」で描いてあるなあと感じました。

合掌。

 

 

(2021、1、28読了)