2020年11月20日に矢口高雄さんが亡くなったことを受けて、引っ張り出してきて読んだ。愛読していたわけではないが、この一冊だけ持っていた。20年前に買ったのだが。
当時「釣りキチ」というタイトルの「キチ」が差別的ではないか?という話しがあり、矢口さんもNHKの番組で自分の作品について話すのに「キチ」を避けて、
「僕の描いた『釣り漫画三平』も」
としゃべっているのを聞いたことがあって、びっくりしたことがある。
この本も「あとがき」に矢口さんが、
「日本の伝統的な釣りを次代に伝える責任が、われわれ釣りキチにあるように思う」(1986年3月7日記す)」
と、しっかり「釣りキチ」と書いているのですが、そのあとに出版社側が「太字」で、
「このあとがきは、KCスペシャルに掲載されたものをそのまま収録しています」
という「気遣い」を示している。
漫画自体は「釣りへの情熱」もさることながら、日本の自然、子どもたちへの愛情のこもった目線などを、大変ダイナミックで動きのある映画のような「画角」で描いてあるなあと感じました。
合掌。
(2021、1、28読了)


