4年前に買って「積読」になっていたが、ちょうど「新型コロナ」で「医療崩壊」が大きく取り上げられたので、読んでみた。
上先生は、この頃から「医療崩壊」を指摘していたのだな。そしてそれは「医師不足」のみならず「看護師不足」も。医師の数は「西高東低」という地域差も指摘している。人口の分布だけではないのか。その改善のためには、地元で働く医師を養成することが必要で、医学部の数も影響してくると。実は医師は、あまり全国を行き来せず、東は東、西は西で働くという地域性があるとも。これはもしかしたら「大学の学閥の関係」があるのかもしれない。
最後のほうに、2016年熊本地震の際に、地元の透析専門の病院で「水が足りなくなった」という話が出てくる。「人工透析」には大量の水が必要なのだそうだ。どのくらい「大量の水」かというと、150人の患者さんに透析を行うめには「20トン」もの水が必要だと書かれていて、驚いた。災害が起こると、そういった人たちへの配慮が必要なのだが、なかなか気付かれないだろうことは想像に難くない。その辺りへの気配りも大事であるなあと思った。
(2021、2、19読了)


