7870「体当たりの演技」

2021 . 1 . 19

7870

 

「週刊文春」2021年1月21日号を読んでいたら、女優の、

「杉咲花さん」

に関して、

「映画『湯を沸かすほど熱い愛』では、いじめを受けて教室で下着姿になる体当たりの演技が評価され、翌一七年に日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞しました」

と書かれていました。この中の、

「体当たりの演技」

という言葉は、よく目にしますが、果たして辞書に載っているんだろうか?

この言葉が使われるのは大抵「若い女優さん」で、意味としては、

「脱ぐ」

系統の演出をした場合に使われている気がします。

去年11月に出たばかりの『新明解国語辞典・第8版』を引くと、果たして「体当たり」の2番目の意味で載っていました。

「(2)(普通の意味では対抗する(負かす)ことが出来ない相手に)非力な者が全力でぶつかって行くこと。(例)体当たりの(=全身全霊を傾けて取り組んだ結果、観衆に大きな感動を与えるような)演技」

とありました。ということは、別に「脱がなくてもよい」のか。

ことし1月1日付で出た『明鏡国語辞典・第3版』にも2番目の意味で簡潔に載っていました。

「(2)捨て身になって物事をすること。(例)体当たりの演技」

やっぱり2番目の意味で使われる代表的な例は、「体当たりの演技」なのですねえ。

「捨て身になって」

がポイントかな。

『三省堂国語辞典・第7版』も「2番目の意味」です。

「(2)直接、力のかぎり目的にぶつかっていくこと。(例)体当たりで演技する」

ほぼ、同じでした。大体、わかった気がします。

 

 

(2021、1、18)