7869「『患者さん』のアクセント」

2021 . 1 . 18

7869

 

1月18日の日本テレビ「スッキリ」を見ていたら、司会の加藤浩次さんが、

「患者さん」

という言葉を、

「カ/ンジャサ\ン」

という「中高アクセント」で言っているのが耳に止まりました。普通はこれ、

「カ/ンジャサン」

という「平板アクセント」なのではないでしょうか?

アクセント辞典を引いてみても。「患者(カ/ンジャ)」は載っていても「さん」が付いた「患者さん」は載っていませんでした。ちょっと考えてみました。

もしかしたら、

「お医者様」

という言葉がありますが、これは、

「オ/イシャサ\マ」

というアクセントになりますね。それは「様(サ\マ)」が「頭高アクセント」だから自然とそうなるのです。しかし「さん」は「平板アクセント」で「サ/ン」ですから、

「本来は『サ\ン』とはならない」

はずで、

「お医者さん(オ/イシャサ\ン)」

とは言いませんよね。あれ?言うかな?ここからきたのかな?

それとも、一時期、

「患者様」

という言葉が流行した時期がありました。

医療も「商売」なのだから「患者」は「お客様」である。だから「さん付け」ではなく「様」を付けて呼ぶべきだ、と。この「患者様」は「様」が付いているから、

「カ/ンジャサ\マ」

で良いわけですね。

その「患者様」という言い方の「ブーム」はすでに去ったと思いますが、もしかしたら、その「アクセントパターン」だけは残っていて、「さん」に戻した「患者さん」でも、

「患者様と同じアクセントパターン」

になって、

「カ/ンジャサ\ン」

と呼ぶ傾向が残ったのではないか?

などと考えて、きょう(1月18日)の「ミヤネ屋」の放送に臨んだら、そこに出て来た、大阪の37歳の看護師・豊川篤史さんが、

「カ/ンジャサ\ン」

と言っていたのです。現場では、もしかしたら定着しているのでしょうか?

ただし、この日同じく出演してくださった「日本病院会」の相澤孝夫会長は、

「カ/ンジャサン」

と「平板アクセント」でした。

また、夜9時に放送していたNHKのニュースに出てきた「厚労省の担当者」は「平板アクセント」で、

「カ/ンジャサン」

と言っていました。

 

(2021、1、18)