7862「煮上がる」

2021 . 1 . 15

7862

 

1月15日の日本テレビの「スッキリ」で、

「発酵あんこ」

というものを紹介していました。最初聞いたときには、

「発光アンコウ」

かと思いました。ほら、「アンコウ(鮟鱇)」って魚は、明かりをともして小魚を集めたりするじゃない。違うか。

その作り方について、森圭介アナウンサーが、

「煮上がったら冷まして」

と言っていたのですが、この、

「煮上がる」

という表現は、初めて耳にした気がします。

「ゆで上がる」「焼き上がる」

などいたことがあるのですが。この場合のは「完成する」「フィニッシュする」とい意味ですね。

「広辞苑」「新明解国語辞典」「明鏡国語辞典」を引いてみましたが「煮上がる」も「煮上げる」も載っていませんでした。

ところが!「精選版日本国語大辞典」には、両方載っていたのです!

「煮上がる」=煮えて、ふきあがる。また、完全に煮終わる。

「煮上げる」=十分に煮る。よく煮る。また、煮終える。

森アナウンサー、すごいなあ、よく知っていたなあ。

あ、でもちょっと待てよ、そもそも「関西」では「煮る」とい言葉はあまり使わず、同じ意味では、

「たく(炊く)」

を使うな。「ご飯をたく(炊く)」は標準語だけど、「おでん」のことを、

「関東(かんと)だき」

という「たく」は関西弁だな。だから「煮上がる」を知らなかったのかな?

「たき上がる」「たき上げる」

は、関西も関東も使いますよね。「お焚き上げ」は字が違うか。意味も違う。

いずれにせよ、私にとっては聞き慣れない言葉、「煮上がる」でした。

またひとつ、勉強になった!

 

(2021、1、15)