12月11日、テレビを見ていたら「リプトンの紅茶」のコマーシャルで、
「入れっぱなのに、ずっと、おいしい」
という声と共に文字が出てきました。
「入れっぱ」=「入れっぱなし」
ですね。「入れ歯」をかわいらしく言ったわけではありません。
これまでにもこの言葉を聞いたことはありましたが「若者言葉」「俗語」だと思っていましたが、CMで使われるほど普及してしまったようです・・・。
同様の、
「出しっぱ」「借りっぱ」
などの、
「~っぱ」
という形は、私は使いませんが、もうすごくよく見聞きします。応用が簡単だし、言葉が短くなるという利点があるのでしょう。過去にも書いたはずです。検索してみましょう。
・・・ありました。「2002年」に書いていました、
「平成ことば事情699入れっぱ」(2002年6月1日)
です。そこには「東京出版サービスセンター」というところがネット上で出している「流行語予報(JUNK WORDS)」の「2000年8月号」で、
「置きっぱ」「出しっぱ」
が、また「2001年4月号」には、
「やりっぱ」「行きっぱ」「狂いっぱ」「話しっぱ」「笑いっぱ」「おかしっぱ」「いじめっぱ」
などが載っていて、意味は、
「やり放しでフォローがないというよりも、テンションがガガッといきっぱなしなことです。」
と書いてあったようです。もう「20年の歴史」があるのですね・・・。
その時と、後の「追記」で「2006年6月15日」にグーグル検索しています。そのころと現在の検索数を比べて見ましょう
【2002年】→【2006年】 → 【2020年】
「入れっぱ」= 112件 → 1万3700件→ 9万5400件
「出しっぱ」= 69件 → 1万2800件→ 4万1100件
「置きっぱ」= 91件 → 3万1900件 →10万5000件
「ぬぎっぱ」= *** 87件 → 4760件
「脱ぎっぱ」= *** 144件 → 2万0100件
という結果でした。2002年の「2ケタ」や「3ケタ」の検索件数が懐かしい。
もう、国語辞典に載っているのでしょうか?
去年(2019年に)出た『大辞林・第4版』には、
「出しっぱなし」「置きっぱなし」
は載っていましたが、
「入れっぱなし」「脱ぎっぱなし」
「入れっぱ」「出しっぱ」「置きっぱ」「脱ぎっぱ」「~っぱ」
は載っていませんでした。
20年前には「マイナスイメージ」のあった「~っぱ」が、普通の言葉として定着して、紅茶のティーバッグを、
「『入れっぱ』でもおいしい」
というように、
「便利=プラスイメージ」
に、変化してきたと言えるのではないでしょうかね。
もう、「流行語辞典」や「俗語辞典」ではなく、「普通の国語辞典」に載ってもいい言葉なのかもしれませんね。
あ、先月(11月に)出た『新明解国語辞典・第8版』には載っているかな?
家に帰ったら調べてみよう!
と、こう書いている間にも、このCMが流れて来ました。


