『ハコヅメ~交番女子の逆襲4』(泰三子、講談社:2018、10、23第1刷)

2020 . 12 . 16

2020_145

 

 

女性警察官が魅力、と書きましたが、また新たな登場人物。

黒田カナ巡査。小柄で見た目は女子高校生に見える25歳。

学生の頃は不良だったが、更生しておまわりさんになった。「囮(おとり)捜査」によく使われる。

こういった若い、20代の警察官たちが警察の寮で暮らしているので、必然的にそこで宴会が開かれている。若い男女なので「恋愛」が起きそうだが、警察学校での同期、先輩後輩の「タテ社会」という体育会的生活のため、そういう事態は意外にも起こらない。どちらかというと同性の先輩後輩の関係の方が「恋愛」に近いのかも。

絵面からも美人と思われる藤聖子巡査部長のことを、同期の「もじゃ」(髪の毛が天然パーマ=大泉洋を連想させる。昔なら石立鉄男か)こと、源誠二巡査部長は、

「法的武装して拳銃吊った、剣道4段のゴリラだよ」

と言う。この表現がまた面白い!

その藤巡査部長は、夏場に寮で「ペアっ子」の後輩・川合に、

「暑いし疲れてるし、その上、寂しくなったら、死んじゃう!」

と、普段からは想像もできないような“かわいらしいセリフ”を言うが、後輩の川合からは、

「よくそんな横暴な態度で、ウサギみたいなことを言えますね」

と突っ込まれる。セリフと表情のアンバランスさも、面白さ・魅力の一つだ。

 

 

 

(2020、11、28読了)