12月18日の「ミヤネ屋」で、テロップチェックをしてくださっている元読売新聞・校閲部のNさんから
「きょうのミヤネ屋のオープニングで『身動きが取れない』『身動き取れず』とあって、『何かおかしいな』と感じたものの、そのまま放送に出ました。違和感の原因は、『身動きが取れない』というのは『動きが取れない』と『身動きできない』が交ざった言い方だったからです。“間違い”というほどのものではないと思いますが…。」
とメールが来ました。
なるほど言われてみれば、そうですね。でも、言われるまで気付かない程度かなあと。
一応「国語辞典」で「身動き」を調べてみました。その結果、
『広辞苑・第7版』『三省堂国語辞典・第7版』
には載っていませんでしたが、去年9月に出た、
『大辞林・第4版』
と去年11月に出た、
『岩波国語辞典・第8版』
先月、9年ぶりの改訂版が出た、
『新明解国語辞典・第8版』
と、今月改訂版が出た、
『明鏡国語辞典・第3版』
には、
「身動きが取れない」
が載っていました。
『精選版日本国語大辞典』
にも、谷崎潤一郎『蓼食ふ虫』(1928-29)から、
「妻の立場を庇ってやらなければ、結局夫婦は身動きが取れなくなる」
という用例が載っていました。ずいぶん昔から「身動きが取れない」は使われていたんだ。しかも「大谷崎」が!
私は『新明解』の「7版」と「8版」で変わっているのに注目しました。
こういった、普段は気付かないところから少しずつ、言葉は・国語辞典変わってきているんですね。
(2020、12、21)


