7836「『炎』(ほむら)のアクセント」

2020 . 12 . 15

7836

 

WOWOWのスポーツアナウンサーで同期の柄沢晃弘君から、映画『鬼滅の刃』の主題歌でLisaさんが歌っている、

「炎(ほむら)」

のアクセントは、

(A)「ホ/ムラ」(平板アクセント)

(B)「ホ\ムラ」(頭高アクセント)?

のどっち?という質問を受けました。柄沢君は当然、

(A)「ホ/ムラ」(平板アクセント)

と思っていたら、テレビで、

(B)「ホ\ムラ」(頭高アクセント)

と言っているのを聞いたと。私も柄沢君と同じで、

(A)「ホ/ムラ」(平板アクセント)

だと思っていました。だって(B)「ホ\ムラ」(頭高アクセント)だと、

「日村(ヒ\ムラ)」

みたいじゃないですか!

しかし『NHK日本語発音アクセント新辞典』には、残念ながら「ほむら」のアクセントは載っていませんでした。

ここからは想像ですが、「炎」と書いて、

「ほのお」

と読む場合は、「頭高アクセント」で、

「ホ\ノオ」

ですよね。そして「ホムラ」も「ホノオ」も、

「ホ=火(ヒ)」

ですから、「ホ\ノオ」からの類推で「ホ\ムラ」と言ってしまったのではないか?

あ、そうだ『新明解国語辞典』にはアクセントが載っているぞ。あの国語辞典なら「ほむら」も載っているのではないか?

と引いてみたら、載っていました。数字で表されていますが、

「0」=「平板アクセント」

「1」=「頭高アクセント」

です。「ほむら」は、

「0・1」

つまり「平板アクセント」と「頭高アクセント」の両方載っていたのです。

語の解説を読むと、

*「ほむら」(炎・焔)=【「火群(ホムラ)つまり『ほのお』の意の古語」心の中に燃え立つ恨み・怒り・嫉妬や情熱。(例)彼女の目は憎悪の炎(ほむら)に燃えた

と載っていました。

 

(2020、12、15)