この巻あたりからは、連載を読んだことがある。しかし、実はこれが連載されている「週刊漫画誌」である「モーニング」の「発売曜日」をいまだに把握できていないため「買いのがし」も多く、読んでいない回もある。通して読むと「なるほど、そういうことだったのか」と納得できる。連載の時は、読み逃しても大丈夫なように、「読み切り」の短編の方が面白かったけど、通して読むには「長編」でもいいかな。
この巻ではまず、バットを持った二人乗りの若者のバイク。取り締まりに行ったら川合巡査(女性)にいきなり「生卵」がぶつけられた。ペア長の藤巡査部長(女性)が、すぐに
「公妨(公務執行妨害)」
の現行犯で逮捕しようと警棒を振り上げて近付こうとするが、それを中年男性の交番所長が止める。
交番所長 「待って待って!バイクの止め方、昭和の警察官!」
藤巡査部長「公妨で逮捕しないと」
交番所長 「この程度の公妨で、相手にケガさせた方が高くつくよ」
これ、アメリカの白人警察官なら、どういう態度に出るのかな・・・。
その間に、バイクの若者は逃げてしまう…。この交番所長のモットーは、
「私がいつも考えているのは、いかに自分が仕事をしないかだ。それがサボリ一筋30年、私の唯一の矜持だ」
それを聞いた山田巡査(男性)は、
「なんてまっすぐな目をしたクズだ」
と心の中でつぶやく…。
署に帰ると、警察署長が優しく諭す。
「ケガはなかったですか?それはよかった。いいんです、ゆっくり検挙すれば。あす朝までに引っ張ってくればいいから」
…全然「ゆっくり」じゃない、期限は24時間「ない」ではないか!
やさしい顔をして猫なで声で“鬼のようなこと”を言う警察組織…というブラックな笑い。
さらに副署長が言う。
副署長 「弁当に『刺し身』って、どう思う?」
川合巡査「腐りやすいので、ダメです」
副署長 「二徹(二晩徹夜)明けに、防カメ(防犯カメラ映像)精査って、どう思う?」
川合巡査「絶対、寝てしまうのでダメです」
副署長 「それなら、公妨に通常逮捕って、どう思う?」
こうやってネチネチ責めて来る。やだなあー。でも笑えるなあ。
ボケに対するツッコミにボケが入っていて、ボケ役がそれに突っ込むという「高度なお笑いのテクニック」が!ナイツか、サンドウィッチマンのような、笑いのジャブからストレート、アッパーと連打!ですね。


