アメリカ大統領選挙が現地時間の11月3日に投開票が行われましたが、日本時間の11月4日午後6時現在、まだ決着はついていません。大接戦になっています。
その際のニュースで、
「集計」
という言葉が出て来ました。
「郵便投票の集計」
と使われていました。でもこれ、日本の選挙では、
「集票」
というのではないでしょうか?「集計」と「集票」はどう違うのでしょうか?
『広辞苑』を引くと、
「集計」=数を寄せ集めて合計すること。(例)特典を集計する。
「集票」=(1)投票用紙や調査票などを集めること。
(2)選挙で、特定候補者への投票を依頼し票を集めること。
そうそう、「集票」には意味が2つあるので、誤解を避けるために「集計」を使っているのかもしれませんね。
そもそも「英語」では何と言うのか?『ジーニアス和英辞典』で「集計」を引くと、
*「アンケートの集計結果」=the totaled【collected,tabulated】
results of a questionnaire
とあったけど、ちょっと違うな、と思ったら、下の方にありました、
「投票数を集計する」=count the votes
なんや「count(カウント)」かいな!
そうか、「votes(投票数)」が付かなければ、単に「数える」なので、
「count(カウント)」=「集計」
なのですね!でも、
「count the votes」
ならば、
「集票」
でもよさそうなのにな。
そういえば以前の大統領選挙でも「手作業」と言う事があったな。ブッシュ・ジュニアとゴア前副大統領(当時)の戦い。なにやら今回と似ていますね。
ちょっと引き写して見ましょう。
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平成ことば事情206「手作業」 アナウンス部・道浦俊彦
アメリカの大統領選挙もようやく決着がついて、何とか21世紀を迎えられそうです。
2億人も人口がいるアメリカで、まさかわずか数百票を巡って1か月以上もゴタゴタすると、誰が想像したでしょうか。
その大統領選挙でよく耳にしたことばの中に「手作業」がありました。機械で票読みをするのではなく、人間の手で確認作業をするというものです。副大統領として、情報ハイウエー戦略、日本で言うIT化を進めたゴアさんが、肝心の選挙戦で、こんなに原始的な方法に頼ろうとしたのは、何か皮肉な光景でした。
ところでその「手作業」、英語ではどう言っているのかが気になって、英語に詳しい後輩に調べてもらいました。
すると、BBCのニュースでは、「hand count」と言っていたそうです。また「manual count」でも良いそうです。「再集計」を強調するなら「hand re-count」でもいいとか。書き言葉よりもカジュアルな言い方としては、「hand count and tally」というのもあるそうです。
わりと直訳っぽい英語ですねえ。
それと、フロリダ州の州都「タラハシー」って、なんか、日本の愛知県あたりにありそうな地名ですね。棚橋さんって人や名良橋選手もいるよな。先日「グリーン・マイル」というトム・ハンクスの出てる映画をビデオで見てたら、この「タラハシー」が出てきました。
ところで、そんなゴチャゴチャしていた最中に、アメリカのボストンに住む、Iさんという先輩からこんなジョークが届きました。
「最近フロリダでは、夜な夜な幽霊が出る場所があるらしい。そこでは、副大統領に似た男が、背を丸めて、こうしゃべるらしい・・・・いちまーい、にまーい、さんまい・・・・」
おあとがよろしいようで・・・。(2000、12、23)
(追記)
あれから、はや1年4ヶ月。日本で、4月1日に第一勧業銀行・富士銀行・日本興行銀行が一つになった「みずほ銀行」が、コンピューターの「システム・トラブル」で、ATM機が使えないという事態が起き、10日たった現在も混乱は続いています。
これに対して、みずほ銀行は「手作業」で対応していると、今日(2002年4月10日)のお昼のニュース(NTV)で伝えていました。
このようにコンピューターに頼りきれずに人間に頼らざるを得ない局面が、最近、時々見受けられますが、そうなった時の影響力の大きさたるや…という感じです。
これを聞いたアナウンス部のアルバイトでコンピューターにも詳しいI嬢は、
「でも、なんかホッとしますね。」
と話していました。なるほど、そういう見方もあるか。
心温まるお話でした?(2002、4、10)
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なんと「20年前」になるのか・・・・年を取るはずだわ。
このブログも、よく続いていますねえ・・・。


