7815「ドーパミンか?ドパミンか?2」

2020 . 11 . 27

7815

 

フリーアナウンサーのみのもんたさん(76)が「パーキンソン病」であると公表したというニュースを、11月27日の「ミヤネ屋」で取り上げました。

パーキンソン病の症状の一つ、

「震顫(しんせん)」

は、医学用語では、

「振戦」

と書くようです。それだと意味がわかりにくいので、平仮名で「ふるえ」と意味を補い、

「振戦(ふるえ)」

とする傾向があるようです。

「『震え』ではなく『振(ふ)るえ』なので、『平仮名』で『ふるえ』にするのではないか」

と思いました。その他にも、

「線条体」「黒質」

など「脳」の専門用語も難しいです。

そして、

「ドーパミン」

が、ディレクターの発注では、

「ドパミン」

と書かれて出て来ました。え?「ドパミン」?「ドーパミン」じゃないの?

と思って調べてみると、

「両方の表記がある」

ようなのです。私が調べた国語辞典6種類の見出しは、

「『ドーパミン』だけ」

でした。グーグル検索では、

「ドーパミン」=174万0000件

「ドパミン」 = 23万1000件

で圧倒的に「ドーパミン」した。

「ドーパミンか?ドパミンか?」で検索したら、トップに出て来たのは、なんと、

「私が5年前に書いたもの」(平成ことば事情5794ドーパミンか?ドパミンか?)

でした。書いたことを忘れていた・・・。

ちなみに5年前(2015年7月2日)のグーグル検索では、

「ドーパミン」=53万5000件

「ドパミン」 =21万2000件

だったので、「ドパミン」は「1割」しか増えていないけど、「ドーパミン」は「3倍以上」にも伸びていますね。

なお、きょう届いた11月19日に9年ぶりに改訂されたばかりの『新明解国語辞典』(第8版)は見出しは「ドーパミン」だけでしたが、その語釈(意味を書いてあるところ)には、

「ドパミンとも」

と書いてありました。これは前の「第7版」には、なかったものでした。

ということは、昔は「ドーパミン」だったが、最近は「ドパミン」という表記が増えている、ということかもしれませんね。

なお『岩波国語辞典』(第8版)の語釈にも「ドパミンとも」とありましたが、去年秋に出た『大辞林』(第4版)には「ドパミン」の文字はありませんでした。

 

(2020、11、27)