10月にオンライン会議で開かれた「関西地区新聞用語懇談会」で議題に挙がったのは、
「新型コロナウイルスの飛沫が大気中に浮遊して、感染するのではないか?」
というような話で出て来る、
「エアロゾル」
という言葉。これが実は『新聞用語集』では、
「エーロゾル」
と記されているそうなんです。それで各社はどちらを使っているか?という質問が、朝日新聞の委員から出たのです。それによると、「朝日新聞」の用語集(「学術用語集」や「新聞協会用語集」も同様)は、
「エーロゾル」
としていて、最近は、
「エーロゾル(エアロゾル)」
と併記する例が多いと。紙面を見ると「朝日新聞」以外の社は、
「エアロゾル」
にしているように見え、学会名が、
「日本エアロゾル学会」
なので、学界では、
「『エアロゾル』が主流になってきている」
のかも知れないと。
実は「朝日新聞」も9月8日に取り決めを変更し、
「『エアロゾル』を原則として、大気汚染関連などで必要な場合『エーロゾル』も可」
としたそうです。気象庁など気象関係では「エーロゾル」と言うらしいが、それ以外は「エアロゾル」のようだ共話していました。
これについて各社は、
(読売新聞)読売の「用語集」にも「エーロゾル」とあるが、行政の発表は「エアロゾル」が多い。ちょっと範囲が広いが、過去50年間の記事検索では、
「エアロゾル」=89件(うち11件が“コロナ”関連)
「エーロゾル」= 9件
だった。
(毎日新聞)「毎日新聞用語集」は「外来語の用例」の章と「科学関連用語」の章で「エーロゾル」「エアロゾル」の双方を掲げ〔大気浮遊粒子〕の意を記している。過去記事における使用件数は「エアロゾル」が「エーロゾル」の約6倍。取り決めはないが、「エアロゾル」が主流となっている。「エーロゾル(エアロゾル)」と併記する例はなかった。いずれにせよ、ほとんどの例で「空気中を浮遊する微粒子」「飛沫よりも小さく空気中を漂う」などと語釈を付けて用いている。専門語であり、定着度があまり高くないという判断からこのようにしていると考えられる。
(産経新聞)産経ハンドブックでは「エーロゾル」となっているが、最近の紙面では「エアロゾル」になっている。
(MBS)特に決めていないが、「エアロゾル」。番組出演者(感染症の専門家、大学教授)が、「エアロゾル」と発音しているので。いる。ただ、「エアロゾル」に統一しているわけではない。
(ytv)「エアロゾル」でやっている。『新聞用語集』の記述には気が付かなかった。同じ「用語集」の上のほうにある「エアロビクス」の項目を見て「エアロ」しか思いつかなかった。
(中国新聞)共同通信の『記者ハンドブック』の片仮名語用例集に「エーロゾル〔浮遊粉じん〕」「エアゾール〔噴霧式薬剤〕」とあり、従っている。
とのことでした。
全然、気付かなかったなあ・・・。「エーロゾル」だと、「エアロスミス」も、
「エーロスミス」
になっちゃうなあ。「アエロフロート」は、
「エーロフロート」
か?これは違うか?


