7766「どん」

2020 . 10 . 30

7766

 

読売テレビ夕方の「かんさい情報ネットten.」木曜日に、浅越ゴエさんが視聴者のお悩みを解決する人気コーナーがあります。きょう(10月29日)の「お悩み」は、

「アンパンマンの陶器の丼の中に、少し小さいプラスチックの丼がはまってしまって、取れなくなってしまったので、外してほしい」

というもの。この「リード部分」を読んだ若手アナウンサーが、

「アンパンマンの『どん』の中に、プラスチックの『どん』がはまってしまった」

と言っているのを聞いて「え!」と耳を疑いました。

「丼」

という漢字は、たしかに、

「どん」

とも読みますが、もともとは、

「どんぶり」

です。

しかし「牛丼」のおかげで「〇〇丼」という「丼物」が、全部、

「〇〇どん」

と読まれるようになったために、10年前の常用漢字の改定の際に、もともとは「どんぶり」しかない読みに「どん」が付け加えられたものです。しかし、

「どん」

と読むのは「○○丼」という、

「料理の名前」

のときであって、

「容器である『丼』」

は、もちろん、

「どんぶり」

としか読まないのは当たり前、「常識」ですが、若者にとっては「常識ではない」のでしょうか?

結構これはショックでした・・・。

もっとショックだったのは、「容器の丼」を「どん」と読んだアナウンサーと、それ以外の若手アナウンサーに、

「丼物」

を読ませたら、みんな、

「どんもの」

と読んだのです!これは、

「どんぶりもの」

だろうが!あ・・・思い出した。前にこれについて書いたな。検索したら、

平成ことば事情5543「どんもの」(2014年)

平成ことば事情6035「どんもの 2」(2016年)

で書いていました。

そもそも「丼」という漢字は、日本で発明された「国字」です。

「井戸」に石を投げ入れたら、

「どんぶりー」

と音がしたところになぞらえて「どんぶり」「この漢字」ができたと言われています。

「どんぐりコロコロ、どんぶりこ」

の「どんぶり」。これは「擬音語」ですね。

そして宝塚歌劇団の1914年の最初の公演と言われている「桃太郎のお話」のタイトルが、海を漕いでいく音から、

「ドンブラコ」

だったと記憶しています。これですね。「擬音語」に由来するのですね。

「牛丼」の容器は、正式には、

「丼鉢(どんぶりばち」

底が深いのでその名があるのでしょう。

「丼鉢(どんぶりばち」を略して「丼(どんぶり)」

と言うのですが、さらに略して「どん」というのは略しすぎですね。

こういった由来を知っているのだろうか?知らんのだろうなあ・・・。

そうそう、子どもの頃に歌った、

「♪おーやーこーどんぶりー」

という歌も「おやこどん」ではなく、

「おやこどんぶり」

でした。

 

(2020、10、30)