7726「『かかずらう』か?『かかずらわる』か?」

2020 . 10 . 5

7726

 

この間読んで「2020読書日記120」に書いた、ブレイディみかこさんの、

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)

の中に、

「かかずらっている暇はない」

という表現が出て来ました。この、

「かかずらっている」

に引っかりました。この原形は、

「かかずらう」

ですよね。でも私の語感では、

「かかずらわる」「かかずらわっている」

ではないかと思ったのです。辞書を引いてみましょう。

『広辞苑』第七版は、「かかずらわる」は空見出しで、「かかずらう」が本見出し。

『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『三省堂国語辞典』も見出しは「かかずらう」だけ。その語釈に中に『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『三省堂国語辞典』は「かかずらわる」も載っていました。

グーグル検索では(10月5日)では、

「かかずらう」  =1万0800件

「かかずらわる」 =  2620件

「かかずらって」 =  9700件

「かかずらわって」=3万1900件

でした。あれ?ということは、「終止形」では、

「かかずらう」>「かかずらわる」

ですが、「連用形」では、

「かかずらって」<「かかずらわって」

という「逆転現象」になりますね。これは、もしかしたら、

「関わって」

という言葉に「語感が似ているから」ではないでしょうか?ふと、そう思いました。

私も「かかずらわって」派ですから。

 

(2020、10、5)