この間読んで「2020読書日記120」に書いた、ブレイディみかこさんの、
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)
の中に、
「かかずらっている暇はない」
という表現が出て来ました。この、
「かかずらっている」
に引っかりました。この原形は、
「かかずらう」
ですよね。でも私の語感では、
「かかずらわる」「かかずらわっている」
ではないかと思ったのです。辞書を引いてみましょう。
『広辞苑』第七版は、「かかずらわる」は空見出しで、「かかずらう」が本見出し。
『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『三省堂国語辞典』も見出しは「かかずらう」だけ。その語釈に中に『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『三省堂国語辞典』は「かかずらわる」も載っていました。
グーグル検索では(10月5日)では、
「かかずらう」 =1万0800件
「かかずらわる」 = 2620件
「かかずらって」 = 9700件
「かかずらわって」=3万1900件
でした。あれ?ということは、「終止形」では、
「かかずらう」>「かかずらわる」
ですが、「連用形」では、
「かかずらって」<「かかずらわって」
という「逆転現象」になりますね。これは、もしかしたら、
「関わって」
という言葉に「語感が似ているから」ではないでしょうか?ふと、そう思いました。
私も「かかずらわって」派ですから。
(2020、10、5)


