先日、帰宅途中に通るショッピングモールがちょうど閉店時間で、おなじみの曲、
「蛍の光」
と共に、
「またのご来店をお待ちしています」
のアナウンスが流れていました。それを聞いていたら、自然に歩くテンポも音楽に合わせて「ゆっくり」になってしまっていました。やっぱり音楽って影響力が強いなと思いながら、ふと思いました。
「あれ?この『蛍の光』は『三拍子』だな。だから間延びしてゆったりと歩いてしまうんだよな。たしか元々の『蛍の光』は『四拍子』だったよなあ」
と思い、家に帰ってから検索してみました。すると!
「蛍の光」=四拍子
「別れのワルツ」=三拍子
と、拍子によって「別の曲」だと言うではありませんか!
えーー閉店の音楽は、「蛍の光」じゃなかったの?でもメロディーが同じだよね。
この「三拍子」の「別れのワルツ」という曲は、原題が、
「Fwrewell waltz」
(「そのまま」やな)で、1940年、アメリカで公開されたヴィヴィアン・リー主演の映画、
『哀愁』
の中で出て来るのだそうです。YouTubeで映像を見ました。確かにこの曲が演奏され、みんなワルツを踊っていました。
知らんかった!
これらのサイトに詳しく記されていましたので、見てみましょう。
https://otoraku.jp/column/ms12/
https://www.shikoku-subaru.co.jp/archives/blog10/9597
それによると、この2曲はともに「同じ原曲」からアレンジされて生まれた曲で、別々の歴史をたどって日本に浸透したそうです。
その「原曲」は、スコットランド民謡の、
「オールド・ラング・サイン」(Auld Lang Syne)
離れていた旧友との再会を喜ぶ内容で、このメロディーは日本をはじめ世界中に広まっています。これに学校教育用に、稲垣千穎(いながき・ちかい)という人が日本語の歌詞をつけたのが、
「蛍の光」
で、「海軍の学校の卒業式」で歌われたのが最初だと言われており、そのことから「別れの曲」のイメージが定着、学校の卒業式でも広く歌われるようになったそうです。
一方の、
「別れのワルツ」
は、1949年3月に日本公開された映画『哀愁(Waterloo Bridge)』で使われていたのが始まり。主人公と恋人が「オールド・ラング・サイン」に合わせて踊るシーンがあり、映画のために「4分の4拍子」から「4分の3拍子」に編曲されたもので、原曲とはリズムの取り方が異なります。この曲の評判が良かったために、コロムビアレコードは1年後に、
「ユージン・コスマン楽団」
の演奏で、
「別れのワルツ」
という曲名でレコード化したそうです。ところがこの「ユージン・コスマン」という外国人風の名前は、編曲者の、
「古関裕而」
のペンネームだったとか。
そして、この『哀愁』という映画を下敷きに1952年4月に始まったラジオドラマが、
『君の名は』
で、音楽を担当したのが古関裕而だったと、繋がるわけですね。
うーん、でも結局は、
「同じ曲」
なんじゃないのか?アレンジが違うだけで・・・。


