10月8日の「ミヤネ屋」で、澤口実歩アナウンサーから質問を受けました。
「『仕切り板』の『板』の読み方は『いた』でしょうか?『バン』でしょうか?」
そりゃあ、考えるまでもなく、
「いた」
ですよね。
「でも『アクリル板』は『バン』って言うじゃないですか」
「それは、基本的に『板』の前の言葉が『和語(訓読み)』であれば『訓読み』で『いた』、『板』の前の言葉が『漢語(音読み)・外来語』であれば『音読み』で『バン』となりますね。『仕切り板』は『仕切り』が『和語(訓読み)』なので『いた』だね。『音響板』や『アクリル板』は『音響』が『漢語(音読み)』だし、『アクリル』が『外来語』だから『バン』だね。」
ここからちょっと調べてみました。
『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』にも、
「しきりいた」
で載っています。
『精選版日本隠国語大辞典』には「しきりばん」という言葉も載っていますが、表記も意味も違います。
*「しきりばん(仕切判)」=帳簿のしめくくりをしたしるしとして押す印。
「はんこ」だね、これは。
電子辞書の『広辞苑』の「逆引き機能」を使っては、「板」の意味方を調べました。
*「バン」と読む語は「看板」「回覧板」「画版」「掲示板」「黒板」「伝言板」「天板」「登板」「銅板」「半月板」「平板」「レフ版」など「64語」。
*「パン」と読む語は「鉄板」「甲板」「乾板」など「11語」。
*「いた」と読む語は「まな板」「あおり板」「あげ板」「厚板」「あぶみ板」「薄板」「腰板」「立板」「戸板」「羽子板」「羽目板」「屋根板」「床板」など「185語」
載っていました。でも、例外もあって、
「ガラス板」「トタン板」「ベニヤ板」
は、「ガラス」「トタン」「ベニヤ」が「外来語」なのに「いた」ですね。
これは「ガラス」「トタン」「ベニヤ」が「外来語由来」ではあるものの、すでに「和語並み」に日本語に溶け込んでいる証しではないでしょうかね。


