7753「オヤジギャグ」

2020 . 10 . 22

7753

 

今から13年前の「2007年」に、その語源が気になってメモを書き付けた、

「オヤジギャグ」

ですが、そのまま、ほったらかしになっていましたが、ついに書く時期が来ました!

というのは、2020年11月に発売される、

『新明解国語辞典第8版』

に、この言葉が採録されたそうなのです。新聞広告に載っていました。

しかしその表記は、「漢字」を使って、

「親爺ギャグ」

と載るそうです。これには「違和感」があります。普通は「平仮名」か「カタカナ」を使って、

「おやじギャグ」「オヤジギャグ」

と書くのではないでしょうか。しかも「爺」は「表外字」なので、普通は採用しません。

すでにこの言葉を採録している辞書には、『広辞苑・第6版』『大辞林第4版』がありますが、ともに見出しは、

「親父ギャグ」

「親父」で採録されています。また、『精選版日本国語大辞典』に「オヤジギャグ」は載っていませんが「おやじ」は載っていて、その漢字表記は、

「親父・親仁」

となっていて、いずれも「親爺」ではありませんでした。「親仁」は初めて見ましたが。

13年前に「平仮名か?カタカナか?」を検索した結果は、

Google検索(2007年5月20日)

「オヤジギャグ」=6万6200件

「おやじギャグ」=3万6800件

でした。

今回、13年ぶりに検索してみましょう。(2020年10月22日)

「オヤジギャグ」=48万4000件

「おやじギャグ」=31万4000件

ついでに漢字でも。

「親父ギャグ」=27万1000件

「親爺ギャグ」=   4240件

「親仁ギャグ」=   2370件

やはり圧倒的に「親父」ですね。「親爺」は少ない。しかし「親仁」が、思ったよりもあったな。

また、13年前の観察では、2007年6月28日の「情報ツウ」(なつかしい!「スッキリ」の前身の番組ですよね!)

「オヤジギャル」(中尊寺ゆつこ)

と、これは「オヤジ」は「カタカナ」でスーパーされていました。これもなつかしいなあ。中尊寺さん、若くして亡くなっちゃったけど・・ほぼ同年代。

「平仮名」の「おやじ」が、「カタカナ」の「オヤジ」に変わったのは、この

「オヤジギャル」

あたりからでしょうか?だとすると、

「バブル景気あたり」

から?「オヤジ」という言葉を、

「男性だけでなく、女性に対しても使い出した頃から」

ではないでしょうか?しかもこの「カタカナ」の「オヤジ」には、

「やや否定的なニュアンス」

が含まれている。当然「オヤジギャグ」も、

「つまらない」「時代遅れ」

という「否定的ニュアンス」が含まれています。しかし「平仮名」で「おやじギャグ」としていたときは、まだ、

「しょうがないなあ・・・」

という「許容の気持ち」が含まれていたのではないでしょうか。

「寛容から不寛容へ」

という時代の変化と、

「『おやじ』から『オヤジ』へ」

という表記の変化は、関連があるのではないでしょうかね?

どうかな?

 

(2020、10、22)