きのう(10月15日)の「ミヤネ屋」で、80代の元生保レディーが、顧客から約19億円をだまし取った事案に関して、これを、
「不正搾取」
と表現していました。
「搾取」
は「搾り取る」ですから、
「経営者が労働者から搾取する」
「悪代官が百姓から搾取する」
「ブルジョアがプロレタリアートから搾取する」
ならわかりますが、今回は、
「だまし取っている」
のですから、
「詐取」
ですよね。事前チェックで全部、
「不正詐取」
に直して放送しました。
しかし、放送後によく考えたら「詐取」は「不正」に決まっています。つまりこれは、
「重複表現」
でした。今後は単に、
「詐取」
とすることにしました。
それにしても、なぜ「詐取」を「搾取」と間違ってしまうのか?
「校閲」に来てもらっている元・読売新聞の中村さんによると、
「『詐取』の『詐』を『サク』と読むと思っている人が、いるのではないか?」
とのこと。つまり「詐」は、「作」の「つくり」と同じ「乍」があるので、
「サク」
と読んでしまうのではないかというのです。
でも「詐欺」は、みんな、
「サギ」
としか読まないのだから、そのまま「サ」と読めばいいのになあと思うのですが・・・。
(2020、10、16)


