7745「不正詐取」

2020 . 10 . 16

7745

 

きのう(10月15日)の「ミヤネ屋」で、80代の元生保レディーが、顧客から約19億円をだまし取った事案に関して、これを、

「不正搾取」

と表現していました。

「搾取」

「搾り取る」ですから、

「経営者が労働者から搾取する」

「悪代官が百姓から搾取する」

「ブルジョアがプロレタリアートから搾取する」

ならわかりますが、今回は、

「だまし取っている」

のですから、

「詐取」

ですよね。事前チェックで全部、

「不正詐取」

に直して放送しました。

しかし、放送後によく考えたら「詐取」は「不正」に決まっています。つまりこれは、

「重複表現」

でした。今後は単に、

「詐取」

とすることにしました。

それにしても、なぜ「詐取」「搾取」と間違ってしまうのか?

「校閲」に来てもらっている元・読売新聞の中村さんによると、

「『詐取』の『詐』を『サク』と読むと思っている人が、いるのではないか?」

とのこと。つまり「詐」は、「作」「つくり」同じ「乍」があるので、

「サク」

と読んでしまうのではないかというのです。

でも「詐欺」は、みんな、

「サギ」

としか読まないのだから、そのまま「サ」と読めばいいのになあと思うのですが・・・。

 

(2020、10、16)