7698「『おねがいします』の『が』」

2020 . 9 . 9

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他局ですが、大人気のドラマ『半沢直樹』。もう、歌舞伎なのか時代劇なのかコメディーなのか、よくわかりませんが、たしかにおもしろい。

堺雅人さん演じる半沢直樹が、市川中車さん演じる大和田取締役に共闘を申し入れた場面で、大和田取締役が、

「何か、大切なことを忘れているんじゃないか?七文字の言葉を」

と、暗に、

「おねがいします」(=七文字)

と半沢に言わせようとします。この際に大和田取締役(市川中車)が指を折りながら言う、

「『おねがいします』の『が』」

が、

「鼻濁音」

だったのを、私は聞き逃しませんでした。

それに対して半沢直樹(堺雅人)は、

「『が』が『濁音』」

だったのです!その理由には「2つの可能性」があると思います。

一つは、

「『歌舞伎』(市川中車)では『鼻濁音』を使うが、『現代劇』(堺雅人)では使わないのではないか?」

ということ。

もう一つは、

「半沢が『おねがいします』と言わされることの“屈辱”を表すのは、柔らかい『鼻濁音』ではなく、『濁音』で強く表現したほうが伝わると堺さんが考え、あえて『濁音』を選択した」

という可能性です。

まあ、いずれにせよ、あの場面のセリフでこういうことが気になる人は、間違いなく、

「アナウンサー(出身)」

なのではないでしょうか?そうでもない?

 

(2020、9、8)