元TOKIOの山口達也さんが、バイクの酒気帯び運転で逮捕された事件で、山口さんは、
「麦焼酎を7~8杯飲んだ」
と供述していると報じられました。
9月25日の「ミヤネ屋」で、その部分の吹き替えをY君が担当して「麦焼酎」を、
「麦じょうちゅう」
と「濁って」読みました。原稿のナレーション部分はナレーターの鹿瀬さんは、
「麦しょうちゅう」
と「濁らずに」読みました。私の語感でもやはり「麦」は、
「麦しょうちゅう」
と「濁らない」と思いました。他の原料の「焼酎」はどうか?例えば、
「芋焼酎」
の場合は、
「芋じょうちゅう」
と必ず「濁り」ますし、それは国語辞典にも載っています。「米」も、
「米じょうちゅう」
と濁るでしょう。
実際に、9月26日にFMを聞いていたら、熊本出身の放送作家・小山薫堂さんが、
「豪雨被害の熊本を応援するために、最近は毎晩、熊本の米焼酎を飲んでいる」
と話していました。その際に「米焼酎」は、
「米じょうちゅう」
と濁っていました。
なぜ「麦」は濁らないか・・・・あ!そうか、「麦」は、
「ムギ」
と、
「『ギ』で『すでに濁っている』から、複合語でくっつく『後部単語の語頭』は濁らない」
のですね!ほかの原料で、
「黒糖焼酎」「蕎麦焼酎」
がありますが、それぞれ、
「黒糖じょうちゅう」「蕎麦(そばしょうちゅう)
なのではないでしょうか?
「蕎麦(そば)」
も、後ろが「ば」と「濁る」ので、「焼酎」は「しょうちゅう」と「濁らない」のではないかなと思います。
解決!!
なお、「芋じょうちゅう」は「濁る」と言っても、
「どぶろく」
にはなりません、「焼酎」は、
「蒸留酒」
ですからね・・・あ、そうか!
「『麦しょうちゅう』は、『蒸留酒』だから濁らない」
というのも「居酒屋での答えなら正解」かもしれないか!
でも「芋じょうちゅう」の立場は、どうなる?
とここで、もう一つ問題が。『精選版日本国語大辞典』で「芋焼酎」を引いたら「芋じょうちゅう」と濁る見出しで出ているのに、その用例は、
「イモ焼酎(セウチウ)」
という「歴史的仮名遣い」のルビで、しかも「濁っていない」のです。
これ、「濁って歴史的仮名遣い」だと、「セウチウ」の「セ」が濁って、
「ゼウチウ」
となるのか?それとも、「シャウチウ」を濁らせて、
「ジャウチウ」
となるのか?そもそも、同じく「ショーチュー」と発音する、
「焼酎」=「セウチウ」
なのに、
「掌中」=「シャウチウ」
なのだと、元読売新聞校閲部の中村さんが教えてくれました。
ということは、今は同じく「ショウ」と発音しているが、昔は発音も違ったのかな?だから表記も違ったのか?
2通り表記がある「歴史的仮名遣い」と言えば、有名な
「駒形どぜう」
がありますね。この「どぜう」は「間違い」で、正しくは、
「どじゃう」
だと聞いたことがあります。
「どぢゃう」
かもしれない。
さきほどの元読売新聞校閲部の中村さんによると、
「実は、江戸時代にも『どぜう』という表記もあった」
んだそうです。
あ、そうか、正しくは「どじゃう」でも、それだと目立たないからあえて「どぜう」にしたのかもしれませんね。ほら、
「ラーメン」
が正しい表記だけれど、それだと目立たないので、
「らあめん」「らうめん」「らーめん」
「らあ麺」「らう麺」「らー麺」「拉麺」「ラー麺」
といった表記があるではないですか!あれと同じかもしれませんね。
いろいろ勉強になりました!


