ふと思いました。
「ちょっと、時代遅れ、古い」
という意味での、
「昭和的」
という言葉は、恐らく「昭和の時代」にはなかった言葉だろうと。この意味での、
「平成的」
という言葉は、まだありません。
また、「昭和の時代」に、
「大正的」
という言葉はなかったのではないでしょうか。「戦後」(太平洋戦争後)には、
「戦前的」
という言葉はあったし、
「明治的」
という言葉もあったと記憶しています。「時代遅れ」の意味での、
「平成的」
は、いつ生まれるのでしょうか?
俳人の中村草田男が、
「降る雪や 明治は遠く なりにけり」
と詠んだのは、
「昭和6年(1931年)」
で、これは「明治時代」が幕を閉じてから「20年後」だったことは、拙著、
『スープのさめない距離~辞書に載らない言葉57』(小学館)
に書きましたが、やはり、そのぐらいの期間が掛かるのでしょうか?もっとかな。
「元号」を1つ挟むぐらいかかるのかもしれません。
「前の前の元号」
になった時に、
「『平成的』が『時代遅れ』の意味で使われるのか?」
だから「平成」が終わって「令和」の時代になったので、「昭和的」を最近よく耳にする気がするのかもしれません。
ところで、同じように「時代遅れ」の意味で使われる、
「アナログ的」「アナログな人間」
という言葉・表現は、いつ生まれたのでしょうか?反対語である、
「デジタル」
が出る前から、この表現はあったのではないでしょうか?
「アナクロ(ニズム)」
という言葉もありますが、これを、
「アナログ」
と取り間違えていたのかもしれませんね。
(2020、9、30)


