7684「絶崖=あず」

2020 . 8 . 31

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高校野球、今年は何かよくわからない形で「春の選抜」が「夏」に行われていて、各・地域大会は行われていたというような、通常から考えたら“残念な形”になりましたね。

まあ野球に限らず、「インタハイ」が中止になった他のスポーツ競技や、文科系の各種全国大会が中止になったので、高校生たちの無念さは、計り知れません(うちの娘も)。

そんな中フェイスブックで、早稲田大学グリークラブ時代の同期生が、

「横浜高校の校歌」

のユーチューブを紹介していました。それによると彼は、

「絶崖=あず」

と読むことを「横浜高校校歌」で初めて知ったそうです。

私は、全く知らず、彼の書き込みを見て初めて知りました。たしかに「校歌」では、そう歌っています。

「朝日直射(ただき)す 富岡の阜(おか)

紺碧(こんぺき)の波 額に迫る

屏風ヶ浦の 絶崖(あず)を隔て

東洋一の商港 横浜 

世界をつなぐ海を朝夕(あさゆう)

目に眺めつつ 勤(いそし)み学ぶ

希望あれ 輝け 横浜高校 横浜高校」

 

「岐阜」の「阜」を、

「おか」

と読むのも知りませんでした。勉強になります。

「絶崖」を普通に読めば、

「ぜつがい」

ですね。『精選版日本国語大辞典』で「あず」を引いたら、

 

*「あず(坍)」=くずれた岸。がけ。がけの崩れてあぶない所。

 

とありました。「岸」だから、

「水際にある崖」

なんですね。難しい漢字ですね。用例は何と「万葉集」(8世紀後半)でした。その用例は「万葉仮名」というか漢字で、

「案受(アズ)」

となっていました。歴史のある言葉なんですね。そこに漢字で同じ意味の「絶崖」を「当て字している」と考えればいいのでしょうね。

 

(2020、8、31)