7676「『彼氏』と『彼女』」

2020 . 8 . 27

7676

 

いつものように、ふと思いました。

「なぜ、『彼』には『彼氏』と『氏』が付くのに、『彼女』には『氏』が付かないのか?」

つまり、

「彼女氏」

とは言わない、ということですね。

 

「ガールフレンド・ボーイフレンド」

は言いますよね。もう少し大人だと、

「『いい人』いるの?」

みたいな「昭和な言い回し」も。俗には小指を立てて、

「コレ」

ひっくり返した「倒語・俗語」で、

「レコ」

もあります。

 

といろいろ考えて、しばらく寝かせておいて、わかりました!

やはり、

「『氏』は敬称」

なのでしょう。そして、

「男性(彼)に敬称を付けるが、女性(彼女)には付けない」

ということでしょう。つまり「男性優位」の言葉。「対(つい)」となる「女性の言葉がない」ですからね。ということは、今後は、

「『彼氏』という言葉は使えなくなってくる」

のでしょうか?

そういえばきのう(8月26日)、「ベルリン国際映画祭」で、今後は、

「男優賞・女優賞をなくす」

というニュースがありました。

NHKでは随分前からあまり「女優」と言う呼び方は使わずに、女性でも、

「俳優」

と呼んでいるようですが、民放は、そこまではやっていません。

「ベルリン国際映画祭」では、

「俳優賞」

一本化するということらしいですが、その際には、男性と女性それぞれに賞が与えられるのか?そうでないと、

「賞の数が半分になってしまう」

ので、俳優にとっては、

「賞のハードルが上がってしまう」

ことになりますよね。

それと、英語では、

「男優」=「actor」

「女優」=「actress」

というように「男性名詞」「女性名詞」がありますが、

「俳優」は「actor」

ですよね。この単語を使うと「男優」と同じになってしまいます。これは、どうするのだろう?と、フェイスブックでつぶやいたところ、まさに、

「俳優」

でTVリポーターで大阪・ミナミのバー「USAGI」のマスターでもある、

「国木田かっぱさん」

が、

「英語で『俳優』という単語には『player』もありますよ」

と教えて下さいました。なるほど!ありがとうございます。

でもそもそも「男性名詞」「女性名詞」問題はどうするんだろうか?

これからも注目していきます!

平成ことば事情6839「女優か?俳優か?」

令和ことば事情7242「女優か?俳優か?2」

平成ことば事情3740「元女優」

もお読みください。

 

(2020、8、27)