7647「古池と経(ふ)る」

2020 . 8 . 13

7647

 

暑い。

刺すような日差し。

通勤途中、思わず口をついて出たのがこんな「五七五」です。

 

「肌を刺す 殺人光線 死骸線」

 

「死骸線」てのは「紫外線」掛けたダジャレですね。もう一つ。

 

「肌を指す 殺人光線 市街戦」

 

お盆休みで、近くのビルの解体工事も止まっているので、静か。

ただ、セミの鳴き声だけが響く。

こんな「替え歌」ならぬ「替え俳句」を思いつきました。

 

「しずけさや 街に染み入る セミの声」

 

そういえば2年前、この元の句を芭蕉が詠んだ「山形の立石寺(りっしゃくじ)」に行ったなあ・・・と思いだし、そこでまた「ハッ」としたのは、芭蕉つながりで、

 

「古池や かはず飛び込む 水の音」

 

で出て来る、

「古池」

「古」という言葉。これは「経(へ)る」の古語である、

「経(ふ)る」

から来た言葉ではないか?と。つまり、

 

「年を経(ふ)る」=「古い」

 

が語源ではないか?と思ったのです。そうすると、「ふるさと」の表記

「古里」

も、これまでは「故郷」と書いて「ふるさと」とした方が情緒があると思っていましたが、

 

「年を経(ふ)るまで過ごした里」=「古里」

 

と書くのも、故(ゆえ)あるかなと思っていたら、会社に着いたのでした。

 

(2020、8、13)