7638「手指消毒の『手指』の読み方」

2020 . 8 . 11

7638

 

放送で、

「手指消毒」

という言葉が出て来た場合の、

「手指」

の読み方はどうされますか。

知り合いの医者に聞いたら、現場では、

「シュシ」

と言い「手と指」を意味するとのことです。しかし放送で「シュシ」と言うと、

「趣旨」「種子」

と同音で紛らわしく、視聴者に伝わりにくいと思います。

また、

「テユビ」

あるいは「の」を入れて

「テノユビ(手の指)」

と言うと、

「(手の)指だけ」

を指して、

「手のひら」「手の甲」「手首」

は洗わなくていいのかと勘違いされそうです。

「テトユビ(手と指)」

と読むようにすると、間違いなく伝わると思うのですが、どうでしょうか?

 

と、「コロナ」の影響で開催が中止となり、メールで意見交換だけをすることになった「新聞用語懇談会放送分科会」に質問を出しました。

各社からの意見は以下の通りでした。

 

(NHK)「手指」は原稿では使われているようだが、ご指摘のように、「シュシ」では伝わりにくいので、放送では「手や指」「てゆび」など、読み方の工夫が必要になると思う。

(日本テレビ)「手指」は、「てとゆび」も「てのゆび」も、部位のニュアンスとして、「手の中に指も含まれる」とか「指だけ?」とか、微妙な違和感を持つので「てゆび」が一番しっくりくるかと思う。

(フジテレビ)「シュシ」は禁じないが、これまで現場の判断で「テトユビ」と言い直す場合が多い。

(テレビ朝日)放送局から発する言葉としては、「手指」は使っていない。既成の文章に「手指」がある場合や専門家が「手指=シュシ」と発言した際には、できるだけ「手などをよく消毒する」などと言い換えている。

(テレビ東京)原稿検索では「手指の消毒」は1件あったが、どう読んだかは調べられず。個人的には「てゆびの消毒」と思って頭の中では読んでいた。「てとゆび」でもわかりやすくていいと思う。

(毎日放送)「手指消毒」なら、そのまま「しゅししょうどく」と読むかもしれない。「しゅししょうどく、てやゆびのしょうどく」。「てとゆび」か「てやゆび」。

 

ということでした。

 

(2020、8、11)