放送で、
「手指消毒」
という言葉が出て来た場合の、
「手指」
の読み方はどうされますか。
知り合いの医者に聞いたら、現場では、
「シュシ」
と言い「手と指」を意味するとのことです。しかし放送で「シュシ」と言うと、
「趣旨」「種子」
と同音で紛らわしく、視聴者に伝わりにくいと思います。
また、
「テユビ」
あるいは「の」を入れて
「テノユビ(手の指)」
と言うと、
「(手の)指だけ」
を指して、
「手のひら」「手の甲」「手首」
は洗わなくていいのかと勘違いされそうです。
「テトユビ(手と指)」
と読むようにすると、間違いなく伝わると思うのですが、どうでしょうか?
と、「コロナ」の影響で開催が中止となり、メールで意見交換だけをすることになった「新聞用語懇談会放送分科会」に質問を出しました。
各社からの意見は以下の通りでした。
(NHK)「手指」は原稿では使われているようだが、ご指摘のように、「シュシ」では伝わりにくいので、放送では「手や指」「てゆび」など、読み方の工夫が必要になると思う。
(日本テレビ)「手指」は、「てとゆび」も「てのゆび」も、部位のニュアンスとして、「手の中に指も含まれる」とか「指だけ?」とか、微妙な違和感を持つので「てゆび」が一番しっくりくるかと思う。
(フジテレビ)「シュシ」は禁じないが、これまで現場の判断で「テトユビ」と言い直す場合が多い。
(テレビ朝日)放送局から発する言葉としては、「手指」は使っていない。既成の文章に「手指」がある場合や専門家が「手指=シュシ」と発言した際には、できるだけ「手などをよく消毒する」などと言い換えている。
(テレビ東京)原稿検索では「手指の消毒」は1件あったが、どう読んだかは調べられず。個人的には「てゆびの消毒」と思って頭の中では読んでいた。「てとゆび」でもわかりやすくていいと思う。
(毎日放送)「手指消毒」なら、そのまま「しゅししょうどく」と読むかもしれない。「しゅししょうどく、てやゆびのしょうどく」。「てとゆび」か「てやゆび」。
ということでした。


