7672「『科され』か?『科せられ』か?」

2020 . 8 . 26

7672

 

8月24日「ミヤネ屋」の澤口実歩アナウンサーから

「道浦さんは、罰金は『科され』ですか?『科せられ』ですか?一応『科され』で読んだんですけど・・・よく出て来るんです、これ。」

と質問を受けました。

「うーん、両方あるのかなあ。『科す』という『文語』だと受身形が『科され』で、『科する』という『口語』の受け身だと『科せられ』になるんじゃないかな。前に書いてなかったっけ?」

と聞いたら、

「『道浦・科され』で検索したけど、出て来なかったんです」

と、一応自分で調べている様子。私も自分で書いた原稿で、ネットにUPしているもの、していないもの両方を検索しましたが、出て来ません。「活用」って難しいよねえ。

「実用日本語辞典」というサイトに、こういう記述がありました。

「『科される』読み方:かせられる

多くの場合、科料・罰金などを支払うにようにと命じられることを意味する語。刑罰を与えることを意味する「科する」の受身形の一種。

「科する」にはサ変動詞と五段活用の動詞と2種類の活用方法があり、サ変動詞として活用した場合に「科せられる」となり、五段活用として活用した場合に「科される」となる。

 

これで言うと、

五段=科す

サ変=科する

でしょうね。

 

そう思っていたら、同じ日の「日経新聞」夕刊に、

「高温に熱せられ」

という文言を見つけました。これも同じだ!

*「熱す」(文語・四段活用)

*「熱する」(口語・サ変活用)

で活用が違うんですね。

【熱す】 【熱する】

(未然)せ     さ

(連用)し・せ   し

(終止)す     する

(連体)す     する

(已然)すれ    せ

(命令)せよ    せ

かな。助動詞「られ」が付くと「連用形」になりますから。

「古語」=熱せられ

「口語」=熱しられ

となるのかな?

難しい!!

宿題が「課された・課せられた」?

 

(2020、8、26)