7552「危険分子」

2020 . 7 . 1

7552

ふと、思いました。(次の文章は、チコちゃんみたいに読んでみてください。)
「『危険分子』とは言っても、『危険分母』と言わないのは、なぜ?」
わかりません・・・。
「ボーッと生きてんじゃないよ!」
なんて言うやつは「危険分子」(5歳)?
とりあえず辞書を引きます。『広辞苑』。「危険分子」・・・載ってない。では、
「分子」
1番目の意味は「原子の結合体・・・」という本来の意味。2番目に比ゆ的に、ありました、ありました。
『(2)集団のなかの各個人。成員。(例)「異分子」「不平分子」』
なるほどなるほど、「分子」=「集団の中の個人」ですか。でも例に挙がっている、「異分子」「不平分子」共に、
「マイナスイメージの分子」
であり、「プラスイメージの例」が出ていません。「リーダー分子」とか、「優秀分子」とは言わないんですよね。
そうすると『広辞苑』のこの説明では、足りないのではないか?
『新明解国語辞典』は、その辺りに配慮してますね。
『(2)集団の中で、異を立てる一部の者。(例)「危険分子」「破壊分子」「妨害分子」』
ほーら、「分子」に、ええ奴、おらんやろ?
『三省堂国語辞典』も、少しそういうニュアンスはあります。
『(2)集団の中の、一部のもの。(例)「強硬分子」「不良分子」』
でも『新明解国語辞典』のほうが「どんな一部の者か?→異を唱える一部の者」としていて具体的ですね。
ちょっと待てよ、ということは、ですよ、
「『分子』を『プラスイメージ』で使えば、違和感があって『誉め言葉』として目立つんじゃなかろうか?」
たとえば、
「この『幸せ分子』!」
「お前は『有能分子』だな!」
「さすが『イケメン分子』!!」
いかがでしょうか?
 

(2020、6、30)