以前、
「プリッグ」
と呼ばれる、
「過度に清潔を求める潔癖症」
が話題になったことがありました。電車の中で「つり革」を持てないとか、何度も何度も手を洗うとか。もう30年近く前かな?初めてこの名前を聞いたのは。当時は「普通程度の清潔の観念を持っている人」から見ると、
「やり過ぎじゃないの?」
という感じでした。一応検索してみますと、トップに出て来た「goo辞書」では、
プリッグ【prig】の解説
1 うるさ型の人。道徳家ぶった人。また、気取り屋。
2 転じて、過度に潔癖な人。
この「2番目の意味」ですね。
ところが!
現在の新型コロナウイルスが流行してからの「新しい生活様式」の中には、
「手をよく洗う」
ということが挙げられています。ウイルスは主に「手指から口に入る」ので、それを防ぐことが求められているのです。
「コロナ前」と比べたら、私は明らかに「過度に手を洗って」います。
つまり現在は、以前「プリッグ」と呼ばれたような症状は「模範的」と褒められこそすれ、「やりすぎじゃないの?」と言われることはないと思われます。
ここからわかることは、
「社会状況によって『病的』と判断されたり、『模範的』と褒められたりする」
ということ。つまり、
「『精神的な病的症状』と呼ばれるものは、『その時代(の社会)に適合するかしないか』という『区別』に過ぎない」ということですね。
(2020、7、6)


